巣鴨村にできた大塚駅運転席の後ろから、仕切りの窓にかぶりついて前方の景色を眺めるのは愉しい。鉄道ファンにとって、ここは立ち席ながらも“特等席”である。通勤型電車をはじめ、最近では多くの中距離電車もロングシートタイプになってしまったから、車窓をじっくり堪能するのが難しくなったなかで、運転台の後ろではパノラマビューが展開する。国鉄時代末期の一時、仕切窓の幕を常に下ろして見えなくする悪弊があったが、いま