皇室の重要儀式である「即位の礼」は、大正と昭和の時代には「御大礼(ごたいれい)」と称されていた。その儀式に欠かせないものの一つに皇室の御料馬車があった。その馬車のなかでも天皇が乗る「特別儀装馬車」は格別の扱いを受けていた。この二つの時代の御大礼は京都御所で行われ、御料馬車も天皇とともに東京から京都へと移動した。では、馬車はどのようにして運ばれたのか。大正の御大礼を例に、その実情を追ってみた。皇室の