8月3日、パリ南アリーナ。パリ五輪女子バレーボール予選、ケニア戦前のウォームアップのスパイク練習だった。古賀紗理那は誰よりも、一瞬一瞬を大事にしていた。セッターからのトスがやや低かったのか、古賀はスパイクの打点がしっくりいかなかったようで、走って列に戻りながら振り返り、人差し指を上に差して声をかける。"次は、もう少し上で"というジェスチャーだった。その次は感覚が合ったようで、高い打点から自分優位