日本文学者であるドナルド・キーンさん(1922〜2019年)の生涯を、書き残された英語原文を軸に計60回にわたって紹介してきた。米ニューヨークで生まれ育ち、コロンビア大学で長く教壇に立った教育者でもあるキーンさんの文章は、洗練されていて、格調が高い一方で、読みやすい。ユーモアもたっぷりで、ちゃめっ気のある人柄がにじみ出ているようだ。絶版となった本や、書籍に収められていない新聞記事などもあるが、今も比較的簡