父は在日コリアン2世だった。それを知ったのは、父の死後だった――。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、自身のルーツをたどる旅を記した『国籍と遺書、兄への手紙ルーツを巡る旅の先に』(図書出版ヘウレーカ)が発売された。安田さんと父、母、兄、妹の5人家族は東京に暮らし、父は小さな鰻料理屋を営んでいた。無口で不器用ながら、優しい父だったという。兄は母親が違い、生みの母はすでに亡くなっていた。安田