ある秋、ある村は、豊作だった。自分たちでも喰い切れず、客人たちまで招いて、連日連夜のお祭り騒ぎ。それが冬を越えて続いたが、春、蔵を見ると、撒く種籾が残っていない。その村は、潰れた。 漁業でも似たような話は多い。よい漁場が見つかった、とのウワサに、あちこちの港から数え切れないほどの船がやってきて、争って魚を獲りまくった。儲けに儲けて、だれもが壮大なイワシ御殿を建てたが、数年後、そこに魚はもういなかっ