ウソは、隠すことにおいて、逆に真実を語り出してしまう。これは、解釈学の基本テーゼだ。この意味で、カール・レーフラーの「神学」問題は、なかなか興味深い。いまどき論文中に典拠を捏造するなどというのは、まったく気が知れないが、文献中の杜撰なウロ覚え引用なんかでいちいち驚いたり怒ったりしていたら、神学だの、哲学だの、やってられないはず。それどころか、まるごと捏造の偽書なんて、この業界には古代から現代まで、