池澤夏樹=個人編集《日本文学全集》(河出書房新社)第16回(第2期第3回)配本は、第16巻『宮沢賢治 中島敦』。結核で死を覚悟したあとの透明感本集で宮沢賢治の詩業から選んだ部分の核となるのが「疾中」。戦前からその存在は知られていたが、全貌が明らかになったのは死後20年以上たった1956年の筑摩書房版全集から。本集で底本としているのは1995年に同社から出た《新校本》全集であり、先に挙げた(1927?)(同ちくま文庫版と