秀英・大谷が流れを断ち切るリリーフ!粘る横浜立野を振り切り秀英が2回戦へ進出!

流れを引き寄せた大谷投手(秀英)

 保土ヶ谷球場で行われた神奈川県大会の1回戦、第2試合は秀英vs横浜立野。こちらも開始予定より3時間近く待ってからの2試合目だったが試合前練習を見ると、それを感じさせないぐらい両校の選手達は元気があり、また、実力は均衡しているように見えた。

 秀英の先発は背番号18を着けた左腕・森山。球速はさほどないが、丁寧に投げ分けて、コースによく決まっている。横浜立野の右打者が秀英・森山をどう崩すかがポイントに思えた。

 秀英・森山は3回表まで、失策の走者を一人出しただけで、他は出塁を許さない見事な投球を見せる。好投している森山に応えたい秀英打線は3回裏、二死一、三塁のチャンスを作り出すと、4番・中川がレフトオーバーの二塁打を放ち先制。秀英が2点を先行した。4回裏にも秀英は二死満塁のチャンスから、2番・高橋が2点適時打を放ち4対0とし、横浜立野を突き放しにかかる。秀英はこの3回、4回で横浜立野先発の渡邊雄から5四球を選んだ。選球眼の良さを得点に繋げるというお手本のようだった。

試合を作った渡邊雄(横浜立野)

 7回表、横浜立野も黙ってやられるわけにはいかないとばかりに反撃開始。4番・堀江が安打で出塁すると、相手の失策も重なり走者の堀江は三塁へ。このチャンスで6番・丸山が二塁打を放ち、1点を返す。丸山はタッチアップで三塁に進み、ここでバッターボックスに入るのは8番・伊東。この伊東の放った打球が相手のミスを誘い、横浜立野が1点を追加し2点差に詰め寄る。秀英・森山はここまで安打を許していなかったが、遂に横浜立野打線が森山を捉え始めた。

 相手の追い上げムードを感じてか8回表、秀英は森山から右腕・大谷にスイッチ。変わった大谷は「強気でいきました」と語るように、この回を3人で締める。9回表も3人で締めて、試合終了。秀英が横浜立野を4対2で破った。

この試合、ターニングポイントとなったのは8回表の秀英・大谷の好リリーフ。「森山さんが試合を作ってくれたので、流れを相手に与えるわけにはいかなかった。いつでも試合に入れるように準備はしていました。」そう語った大谷は自身をリリーフタイプと分析。どの場面でも投げていいように想定して準備していたことが好リリーフに繋がった。

 県大会に出場もこれまでなかなか無かったという秀英。だが今日の秀英は、選手自身が試合でしっかり役割を果たして、勝利を手にした。仲間達で掴んだ勝利の味を、2回戦の戦いにも生かしたい。

(文=高校野球ドットコム編集部)