学生の窓口編集部

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ここ数年、圧倒的に増えている「ペット可」の賃貸物件。ペットの飼育が「特約事項」でOKとされているところを総称してペット可物件と呼んでいるが、種類やサイズ、頭数に決まりがあるなど、物件によって細かいルールも多い。

もし「ペット不可」の物件でイヌやネコを飼ったらどうなるのか? 契約時にダメなことを理解/合意しているはずなので、大家さんから「出て行け」と言われても反論はできない。退去する際は、ペットがつけた壁や床の傷もすべて弁償しなければならないので、「バレなきゃ大丈夫」とナメていると大変なことになるのだ。

■バレたら反論も弁解もできない

賃貸物件における「禁止事項」は、法律的には何の定めもなく、「賃貸借(ちんたいしゃく)契約の中の特約事項」としてルールづけられている。おもな「禁止事項」にはペットの飼育、楽器演奏、石油ストーブの使用などがあり、入居前の契約で同意している以上、違反した場合は退去を求められても文句は言えない。

「ペット不可」についても同様で、ルール違反はもってのほか。大家さんに見つかったら「出て行け」と言われてもしかたがないのだ。

ペット不可ならハムスターやカメなどの小動物もNGなのが基本だが、要相談とする物件もないわけではないので、本気で飼いたいなら大家さんや管理会社におうかがいをたててみる価値はある。

その一方、賃貸物件とはいえ「住むひと」の権利も守られていることは事実。「こっそりペットを飼っているから」という理由で、貸している側が契約を終了させる更新拒絶(こうしんきょぜつ)をおこなう場合でも、「借地借家(しゃくちしゃっか)法」で

・(第26条)契約期間が満了する1年〜6ヶ月前までに通知しなければならない

・(第28条)正当な理由が必要

と定められているので「即刻退去!」を求めることはできない。不可物件でのペットは「正当な理由」になるが、最速でも「半年後に出ていってくれ!」が限界なのだ。

ペットがバレた場合、まずは大家から注意を受ける程度が一般的だろう。そのさい入居者は「信義誠実(しんぎせいじつ)の原則(信義則)」に従い、非を認めて誠実に対応すればなんとかなるかもしれないが…再三注意されても不誠実な態度をとり続け、大家をカンカンに怒らせてしまったら、「最短コースで退去!」となっても文句はいえない。

不当に退去勧告を受けた!と裁判を起こしても、「大家に対する背信行為で、あなたが悪い!」となってしまうので、バックれようと思わないほうが身のためだ。
■結末は、退去+弁償+損害賠償?

もし退去を命じられても「出て行けば済む」わけではない。ペットが傷つけた床や壁、建具の修復や部屋全体の消臭まで、すべて弁償しなくてはならないのだ。

畳のスリ減りやカーペットの日焼け、冷蔵庫後ろの黒シミなどは、ひとが暮らしていれば当たり前なので大家の負担となるが、飼育不可とされているペットによる傷や臭いは「起きるはずのない損害」なので、敷金償却も含め、入居者=飼い主が負担して当然となる。

また、ペットがベランダをつたって隣家の洗濯物を破いてしまっても同様。民法718条でも「動物の占有者(=飼い主)は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」とされ、もれなく全額負担を強いられるので、「バレるはずがない」などと甘く考えないことをお勧めする。

■まとめ

・「禁止物件」でペットを飼ったら、「出て行け」と言われても反論できない

・ペットによる傷や損害は、すべて入居者の負担

分譲マンションの場合は、管理規約を「ペット可」に変更する手段もあるが、大ごとなので別の機会に紹介しよう。

(熊田 由紀/ガリレオワークス)