日本で出産をするといくらかかるのでしょうか? 高級な施設のある病院などを選ばなければ、出産にかかる平均費用はおおよそ50万円程。ただし「出産育児一時金」が42万円給付されるので、実際に自分で支出する料金は10万円前後になることが多いようです(状況によって料金等に変更あり)。

これはあくまで日本の場合に限った話であり、海外での出産費用は国それぞれの事情と料金があるようです。

医療費の高いアメリカは出産に120万円もかかる

世界で出産費用が高い国ランキングを見てみましょう(データ元:IFHP)。以下、保険なしで考えた場合の料金です。医療費が高いことで有名な アメリカがやはり最高金額で約1万ドル(約120万円)。続いて、スイスの約8,000ドル(約100万円)、オーストラリア、オランダ、アルゼンチン、スペインと続きます。

この数字はあくまで通常分娩の場合の料金なので、帝王切開になった場合、麻酔医や薬代に払う費用がかさんでさらに高額になります。また、海外では日本と違い、まとめて病院に費用を払うのではなく、検査ごと、専門科医ごとに料金が請求されるシステムであることも高額になる理由の一つだと考えられます。

ただし、筆者の住むフランスでは、各所へバラバラの支払いになるものの、社会保障に加入していれば100%返金になるので、このシステムだけが高額の理由とは言えないところもあります。

日本人がシンガポールで出産したら85万円

BBCニュースでは、シンガポールで出産を体験した日本人女性(旦那さまはイギリス人)が、自身の出産にかかった費用を紹介するレポートをしています。その内訳はこうです。

出産合計金額は8,984シンガポールドル(約85万円)
以下、おおよその日本円換算額です。

通常分娩費:15万円
2日間入院費:10万円
産婦人科費:21万円
麻酔科費:3万円
一般担当医費:3万円
(一般担当医とは、自分の担当の医者のこと。まずこの医者を通して専門医を紹介してもらうシステム)

なお、夫婦ともシンガポール人ではないため、全て実費で支払ったとのこと。もし帝王切開であった場合はこの3倍の料金を取られるのだとか。

アメリカで出産した日本人女性は帝王切開で1,200万円

出産費用が世界最高額のアメリカで出産した日本人女性の例を見てみると、とんでもない金額に目を疑ってしまいます。特に、彼女の場合、帝王切開だった上に、出産前も含め1か月の入院を余儀なくされたので、さらに金額が跳ね上がったようです。そのため、出産合計金額は1,200万円!

30日間入院費:800万円
産婦人科費:50万円
麻酔科費:24万円
超音波検査:14万円〜
血液検査1回分:8万円〜

アメリカの場合、日本で言う国民保険制度がありません。ですから、一般の保険会社の保険を頼らざるを得ないのですが、その保険料もまたバカにならない高額であることが多いようです。今回この方は夫婦が加入していた保険が全てカバーして、ひと安心されたとのこと。

アメリカの費用を見ると、日本での出産費用が格安に見えてくるから不思議です。最近、国際結婚や、海外赴任に同行する女性が私の周りにも 増えているのを実感していますが、海外での出産にはとんでもない高額請求があることもじっくり検討して元気な赤ちゃんを出産されるのがよいかと思います。

(中村綾花)