2月下旬、WINNERのファンミーティングが開催された

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 韓国文化産業交流財団が2月21日に発表した「韓流NOW2014年1四半期」報告書によると、日本は2人に1人が「韓流ブームは終わった」と感じており、歴史や領土問題をめぐる両国の関係悪化が影響を及ぼしていることが分かったという。これを複数の韓国メディアが報じたとのことだ。

「オワコン」「そもそも捏造だった」と言われている韓流ブームだが、この50%を「もう」と取るか「まだ」と取るかで随分印象は違うのではないか--そう思わせるファンミーティングに先日、足を運んできた。それはBIGBANG、2NE1(トゥエニィワン)を擁する芸能事務所「YGエンターテインメント」が満を持して8年振りに送り出した、BIGBANGの“弟分”である5人組ボーイズグループ「WINNER」である。

 WINNERというグループ名の由来は、2013年にYGエンターテインメントが企画したデビュープロジェクト『WIN-Who Is Next』で優勝したことから。11人の練習生たちがTeam AとTeam Bに分かれて対決する模様はテレビで数か月にわたって放送され、最終バトル、及び視聴者投票による最終投票によってTeam Aが見事勝利し、「WINNER」としてデビューを勝ち取ったのだ。

 デビュー時にはもうメンバーが知られており、ファンを掴んでいるこのシステムはなかなか上手い。ちなみに、破れたTeam Bの敗者復活も用意されており、また別のグループでデビューした。なんという無駄のないシステム!

本当にオワコン!? 大盛況のファンミーティング

 さて、そのファンミーティングは、お決まりのゲームコーナー、罰ゲームに女装系のコスプレ、ファンをステージに上げての記念撮影、そしてミニライブ……といった構成なのだが、そのなかで「すごい努力」と思えたポイントがあった。MCとメンバーがステージにいてトークをしているとき、メンバーの後ろに男性スタッフが1人控えている。通訳だろうと思っていたら、どちらかというと「日本語トレーナー」といった感じの役割のよう。メンバーが頑張って日本語を話し、分からない単語や言い回しをその控えのスタッフに耳打ちしてもらうという光景があったのだ。

 これまでの新人K-POPアイドルたちは、簡単な挨拶や「ミナサン、アイシテマス」といったお決まりのフレーズ程度は日本語で口にするが、少し長めのトークになると韓国語→日本語訳ということがほとんどであった。リーダーや、メンバーの中で1人だけ日本語の上手な子が、他のメンバーのちょっとヘンな日本語を直したり正しい言い方を教えたりすると、ファンからは「キャー!!」という歓声が上がる。「もう日本語バージョンの歌詞だけでイッパイイッパイですよ!」という感があったものだが……。「まだまだジャパンマネーは稼げる」と見込んでの戦略なのかもしれない。

 確かに、この日の物販コーナーでCDは完売していたし(そもそもファンミーティングなのだからすでにCDを持っている客がほとんどのはずで、搬入数自体が少なかったのかもしれないが)、公式グッズのTシャツやタオルもソールドアウト状態だった。チケット自体も“外タレ価格”で7000円越えである。

 客層の中心は、どう見てもティーンエイジャーから20代の女の子たち。彼女たちにとったら相当な出費だろう。それでもファンクラブに入り、熱心に応援している様を見ると、「オワコン」とか言いたいヤツは言ってなさいという感じである。

 筆者の見た回がオーラス(最終日・夜の部)だったせいか、ちょっと感動のワンシーンにも立ち会うことができた。ファンの女の子たちが白い布にせっせとメッセージを書き込んでいる様子がアンコールの最後に映像で流れ、パッと会場の電気が点いてステージからメンバーが振り返ると、そのメッセージ入りの横断幕を最前列のファンが掲げている。それを見たメンバーは号泣……。

 “悪ガキ”コンセプトの某グループのように「日本のファンなんてチョロイっすよ」と手も気も抜かずに、WINNERにはこれからも頑張ってほしいものだ。

(取材・文/ヨコヤマユー子)