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 やまもといちろうです。最近どうもマスクの人が増えたなと思ったら、花粉症の季節が到来していたんですね。ヨーグルトを飲めば治るとか珍説ぽい話が出回っているようですが、大丈夫なのでしょうか。

 ところで、我らが下村博文大臣が自身の講演会のような団体で、会費を取って活動をしていたにもかかわらず、届出をしていないという政治資金規正法違反の疑いが出て火達磨になっておられ、好感が持てます。やっぱりね、政治家のスキャンダルってこういう着火から火消しに至るか、炎上して焼け落ちて灰になるかの瀬戸際が美しいと思うわけですよ。

 このどうにか言い逃れてやろうという根性が素敵でありまして、報じられている事実関係がそのまんまであれば下村せんせがどう言おうが、普通にアウトであるところも溢れ出る熱い涙が頬を伝うのであります。

 大臣会見においても、まさに困惑の極みの内容が報じられておりますが、週刊文春の記事が事実であるならば、向こう2週間、10日と経たず辞任に追い込まれてしまうのではないかと考えられます。というか、「会費を集めていることを知らなかった」とか、飲み食いしているのにあり得ないんですよね。小学校の同級生のお誕生日パーティー状態なんでしょうか。もう少し下村さんの周辺にきちんとした人がいて、ダメージコントロールとは何かを伝えてくれる人がいれば、もっと違った結果になったのではないかと思うのですが、残念なことです。

 それに先だって、そもそも何でこんな人が閣僚に、という不思議人事の最右翼であった西川公也農水相も、スキャンダル被弾で辞任に追い込まれました。その後は、出るわ出るわの醜聞記事で、本人にとっても政権にとっても手痛いダメージになってしまったわけであります。

 そんな西川さんが農相をやれていたのも、言わば「転がしやすく、扱いやすい大臣だったから」であって、いったんスキャンダルが出て権力の力学が逆回転すると煉獄の業炎に投げ込まれるのであります。

 さらには、例のGPIF問題を巡って厚生労働大臣の塩崎恭久さんもスキャンダルに見舞われようとしています。

 どういう理由か、このファイトの実況中継はFACTAとビジネスジャーナルで行われ、実にややこしい話が裏側にありそうでならないわけなんですが、この話の根底には130兆円の私たちの年金運用のあり方が問われているんですよね。

 優秀だけど人望に乏しい塩崎さんが、部下である香取照幸年金局長と方針を巡って省内で対立。その結果、GPIFに息のかかった人物を送り込みたい官邸の世耕ラインに香取さんは寝返ってしまい、完全に梯子を外されてしまったわけであります。

 一連のすったもんだで一番割を食うのは、トラックレコードがない水野弘道さんに権限が集中したGPIFで年金130兆円を運用されてしまう日本国民の可能性は大なわけで、ちょっと言い方は悪いかもしれませんが「お友達内閣」の中にも安倍さんや菅さんからの「隠れ好感度」パラメータがあって、そこに私利私欲交じりの君側の奸が現れると一気に瓦解しかねないよね、という話なのでありましょう。

 そもそも、一連の週刊文春に掲載された大臣スキャンダルのネタは、大臣起用の際の「身体検査」として内閣情報調査室がまとめた資料が流用され、お友達の中の誰かが垂れ込んだものと言われているあたりに、好調だった安倍政権の油断と凋落の種が紛れ込んでいるように見えてなりません。

 この統一地方選挙前に、いったい何をしているのか不安でしょうがない気持ちでいっぱいですが、それでも前を向いて日々をがんばって生き抜いて参りたいと存じます。

著者プロフィール

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

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