未年は中東情勢が悪化する!?

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 さて、平成27年度は果たしてどんな一年を迎えるのでしょうか。

 個人的には、京都の上賀茂神社や下鴨神社の式年遷宮にも注目しておりますが、未年という点では、名古屋の羊神社なんかも非常に縁起がいいということで注目を集めていたりもします。ただ、これは予測でもなんでもないので(笑)、真面目に予想をすると結構国内よりも海外に不穏な空気を感じます。

 国内では、やはり第三次安倍内閣の誕生で、ある意味、堅実な一年を迎える気がしますが、2015年は800万人という巨大な団塊世代が年金受給時代に突入すると言われ、この超高齢化社会を本格的に迎える節目の年だったりもします。

 このため、経済市場はまさにこのシルバー層がその中心になると予想され、円安によって国内旅行の需要が喚起されるという予測のもと、多くの地域で町おこしの招致合戦が繰り広げられるんだろうなぁと見ています。

 特に、東京オリンピックの招致成功以来、日本文化に対する回帰的な関心が高まっており、和食や和紙が無形文化遺産に登録されたのを受け、関連の体験施設では観光客の増員が認められているようですので、私も提唱して参りましたカルチャー・ツーリズムも、もしかしたらいよいよ本番に突入するのではないかという期待感はありますね。

 ただし、この超少子高齢化社会は年を追うごとに厳しさを増していきますので、このスタートの一年でどういう流れを作っていくのかというのは結構重要なのかもしれません。特に、こうしたお年寄りの方々には、いかにお金を使って頂くかということを真剣に考えていかないと国の借金は膨らむ一方ですので、シルバー向け、またはその子どもや孫に向けた物販やサービスがこの一年でもかなり出てくるのではないかと思っています。政府も結婚育児支援で贈与税非課税の方針を強めていますからね。後は、国内で気になる点と言えば、やはり自然災害に関することくらいではないでしょうか。

 ただ、海外について申し上げれば多少の不安がつきないというのが正直なところです。未年という周期を見ても、

1967年 第三次中東戦争
1979年 第二次オイルショック
1991年 湾岸戦争停戦にソビエト連邦の解体
2003年 フセイン政権崩壊

 と、中東地域を中心に大きな出来事が結構起こっています。偶然と言えば確かにそうかもしれませんが、流行の周期と同じように考えてみれば、まったく関係ないとも言い切れません。とりわけ平成26年度はその前触れにも近い現象が起こっています。

 例えば、石油輸出機構(OPEC)による原油増産で世界的なエネルギー対立を生み、ロシアではルーブル相場の危機的状況を招き、年初からの下落幅は50%以上を迎えています。中国の成長率も著しい鈍化を見せ、世界の勢力図は明らかに転換期を迎えつつあるわけです。そんな中、アメリカは着実に復活の兆しを見せ始めているわけですから、今までの均衡が崩れる時、動乱の世が訪れるというのはよく聞く話ですが、ここに一部シェールガス潰しとも噂される中東とアメリカの対立は、実はこの周期で見せた中東絡みの荒れ模様とも一致するんですよね。

 不思議なもので、ほんの10年近く前までは、地球温暖化現象にグリーン・エネルギーだなんだと言われておりましたが、気がつけば、相も変わらず化石エネルギーがこの世を席巻する。こうみると結局は中長期的な展望を持って、一時の感情に左右されない強固な意志を持つことが何より大事だということですね。個人的には、平成27年度は、戦後70年を迎える節目でもありますので、いささか周囲が騒がしくなる可能性もございますが、自分自身にとっても浮足立たずにマイ・ペースで臨みたいと思います。

著者プロフィール

一般社団法人国際教養振興協会代表理事/神社ライター

東條英利

日本人の教養力の向上と国際教養人の創出をビジョンに掲げ、を設立。「教養」に関するメディアの構築や教育事業、国際交流事業を行う。著書に『日本人の証明』『神社ツーリズム』がある。

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