菅直人「原発ゼロ」の決意―元総理が語る福島原発事故の真実

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 衆院選が終わった。選挙特番も終わった。私は前回のコラムで《選挙特番は生放送の醍醐味であり、人間模様の覗き見を手軽にできるコンテンツ》と書いた。
 今回、生放送ならではの奇跡の瞬間はテレビ東京だった。「政治記者が選ぶ総理になってほしい人アンケート」という企画をやっていたのだが、「総理になってほしい人、1位は……」と発表しかけたら「ここで速報が入ってきました 菅直人さん落選です」という速報が重なったのだ。元首相が小選挙区で落選するタイミング……。(ちなみにアンケート1位は谷垣貞一)
 また、同番組では東京1区在住の峰竜太が投票先を明らかにした。小選挙区は「海江田万里」、比例区では「自民党」。「1区では海江田さんにと思った。比例区では私も安定を望んだ」
 なんか、峰竜太の処世術を見た思いだった。
オヤジが堂々とするとき、だいたいピークは過ぎている さて翌日のスポーツ紙の見出しはどうだったか。私が「オヤジジャーナル」と呼ぶこれらの媒体はとにかくダジャレが好き。いったいどんな見出しが? やはりというべきかオヤジは張り切っていたのである。
 まず日刊スポーツ。『まんまと安倍のままで〜』「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー 〜ありのままで〜」から。オヤジが堂々とネタにするとき、だいたいピークは過ぎているという証明である。
 この日、芸能ニュースでは「徳永レリゴー」という見出しもあった(スポーツ報知)。徳永英明がアナ雪をカバーするという記事だ。しかしスポーツニッポンに目をやると、『安倍 改憲レリゴー』。意味がちがいすぎる。 ここにきてのオヤジのレリゴーまみれ。忘年会ムードがそうさせるのか? では、いっぽう民主党の党首に対してはどうだったか。
『海江駄目よ、駄目駄目〜』(日刊スポーツ)。海江田と日本エレキテル連合の「ダメよダメダメ」をかけたのだ。脱力。
 こんなのもあった。『松島も左うちわ』(スポーツニッポン)。うちわ配布問題で10月に法相を辞任した松島みどり当選のことだ。
 このように選挙翌日は各紙どまんなかの直球を投げ込んできていた。球速は遅いけど。変わっていたのは東スポだ。一面で『長期政権これだけの理由』と打ってきた。
 お、えらく真面目な見出しではないか。そうか安倍政権の分析か、と思ってよく見るとスケートの羽生結弦の記事だった。東スポはマイペースでした。
著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。