死してなお波瀾万丈

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 やしきたかじんさん(享年64)が亡くなる3か月前に結婚した、32歳年下の未亡人・さくらさん(33)を巡る“殉愛騒動”。既報の通り、売れっ子作家・百田尚樹氏による“週刊誌制圧”も成功をおさめ、もはや愛のカケラを探すのも困難となってしまいそうな事態だ。そんななか、百田氏・さくらさんサイドへ真っ向批判する勢力がわずかながら現れ始めている。

 ネットで噴出したさくらさんの重婚疑惑・メモ筆跡疑惑に対して、不自然なまでに沈黙を続けていた各週刊誌。そこに一石を投じたのが、12月4日発売『週刊文春』(文藝春秋)掲載の林真理子氏のエッセイ「夜ふけのなわとび」だった。百田氏への配慮から報道を行わない各週刊誌を「誰が朝日新聞のことを叩けるであろうか」と、痛烈批判を展開した。

持論を展開する林真理子の凄み

 ところが、このエッセイに対し、翌週に百田氏は同誌に手記を寄稿する形で反論。さらに『Will』編集長であり元文春編集長の花田紀凱氏もウェブサイト上で「林真理子さんのコラムに意義あり。」として、「プラス、マイナスを総合的に判断した上で、(売れっ子作家の醜聞を)書かないのは当然ではないか。わかり切った話だ。たとえば林さんが何かスキャンダルを起したからって『週刊文春』が書きますか」と、林氏の言い分を批判していた。

 しかし、さすがは真理子センセイ。さらに12月16日発売の同誌エッセイで、林氏は前半部分を百田氏に宛て、手紙を書くような文体で持論を展開。著書を非難するつもりはないと断ったうえで、

「ベストセラー作家にいささかの瑕疵もあってはならないと、自主規制する週刊誌に対して憤ったのです」

 とした。

「戸籍上のデリケートな問題を週刊誌が敢えて書かなかったとしても不思議ではない」

 と驚きの理屈で返した百田氏に対し、

「この業界で三十年仕事をしてきた私に言わせると、週刊誌はそんなナイーブなやさしいものではありません」

 と、実にもっともな反論も。

 また百田氏はTwitterで、

「私は、たかじんさんが亡くなった後に、何人かの人間たちがどれほど酷いことをしてきたか知っている。中には犯罪と言える行いもあった。それらのほとんどは本には書いていないが、今後、いろんな裁判で明らかになるだろう」

 とつぶやき、

「昔から、人と争うことがあると、俄然元気が出る。売られた喧嘩は絶対に買う!」

 と、一歩も引かない構えを見せている。

 いまやたかじんさんの利権や遺産にとどまらず、作家や出版社の利権を巻き込んで、当事者不在のまま場外乱闘の様相を呈している「疑惑」の波――。いつかすべての「真実」が明るみになる日が来るのだろうか。

 ともあれ、林真理子先生の自由闊達な意見には敬意を表したい。

(取材・文/チロル蝶子)