仕送りの段ボール箱の中には……上京者に聞いた、涙があふれそうになった瞬間

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鹿児島から上京して一人暮らしをしている筆者には、定期的に実家から仕送りの段ボール箱が届きます。ほぼ毎回入っているのが森永製菓の「ムーンライトクッキー」という、小学生のとき大好きだったお菓子。今はさほど好物というわけでもないのに、まだ私が喜ぶと思って箱に入れている母の姿を思うと胸に迫るものがあります。

上京したからこそ涙があふれそうになる瞬間は、ほかの地方出身者にはどのようなものがあるのでしょう。上京を経験した読者の皆さんに聞きました。

調査期間:2014/10/22〜2014/10/25
有効回答数406件(ウェブログイン式)
マイナビウーマン調べ

仕送りに入っているものに感涙
「母から定期的に送られてくる、手作りの梅干し」(31歳/女性)
「実家に帰ると小言ばかりの母からの小包に、『一人でがんばっていて尊敬している』という内容の手紙が」(27歳/女性)
「学校の授業で使う資料を送ってほしいと頼んだだけなのに、欲しいと話していた洋服や食品が一緒に送られてきた」(23歳/女性)
「実家付近でしか売っていない『焼きそばバゴォーン』が入っていたとき」(24歳/女性)

地方限定的なものも送られると懐かしくてたまらなくなりますよね。仕送りの手紙だからこそできた激励の言葉……素敵な距離感だと思います。

■歌やテレビからノスタルジックに
「上京するときの新幹線で、浜田省吾の曲を聴いていたらぐっとくるものが」(54歳/男性)
「青森出身なので、『津軽海峡冬景色』は何度聞いても冬の情景を思い出して泣けてくる」(43歳/男性)
「テレビでNHK『鶴瓶の家族に乾杯』に故郷が登場したとき」(24歳/女性)

ノスタルジックな気分を歌った曲も涙腺をゆるませます。筆者の場合は銀杏BOYZ「東京」やフジファブリック「茜色の夕日」など、インディーズバンドによる上京の曲を聴くと缶ビールが欲しくなるクセが。

■上京の孤独さがこみ上げて
一人暮らしを始めてすぐインフルエンザにかかり、吐いたものを自分で片づけていたら涙が出てきた」(31歳/女性)
「実家は家族が多くて賑やかだったので、上京したばかりのころ一人で静かな部屋にいるとさみしくて泣いていた」(22歳/女性)
「長い間勤めていた公務員から転職し、一人で東京に住もうとしたとき、知り合いもいない環境に一人で飛び込む不安にかられた」(24歳/女性)

家にはいつも家族がいた環境からの一人暮らし、しかも気軽に呼び出せる知り合いも周りにいない境遇はつらいものです。筆者も上京したてのころは、高校の友だちに夜な夜な電話していたような。

■つながりを感じたとき
「東京で同級生が集まって飲み会を開いてくれた。地元から遠い場所でも集まれたことに感動」(35歳/男性)
「配達の仕事でとある家庭へおじゃましたとき、自分の実家を思い出してうるっときた」(43歳/男性)
「具合が悪くて食事がとれなかったある日、寮の隣の部屋の人がご飯を買ってきてくれ、優しさが身にしみた」(28歳/女性)

一人で出てきたからこそ、東京にある優しさやつながりに感動することもあるものです。

同じように地元や実家へ思いを馳せながら暮らしてる人は多くいる――。そんなことを考えつつ、今日も東京での日々を生きていきたいですね。

(黒木貴啓+プレスラボ)