顧客との約束を守らない社員には「顧客の定義」を教えてあげよう/小笠原 昭治
お客さんとの約束を守れないのが現実だとしたら、約束を守る従業員に育てあげるには、どうしたらいいのでしょう?その具体的でカンタンな方法とは?

約束とは(大辞林より引用)

1.当事者の間で決めたこと。

2.社会・組織などで,あらかじめ決められていること。きまり。ルール。

3.生まれる前から定まっている運命。宿命。因縁。

で『約束は守るもの』という社会通念があります。それに則って時々、

「弊社の従業員が、お客様との約束を守らなくて、お叱りを受けることがあります。どう改めれば良いでしょうか?」

という相談を顧問先から頂くことがあります。

はたして、約束は、守られて、当然でしょうか?

「顧客の十戒」に新しく加わった10項目にも、

http://www.interactive-marketing.co.jp/marketing/contents-stay/01_10kai.htm

「十、お金と商品を交換するだけが売買だとは思いません。いつ、どこで、誰が、何を、どうするか、約束したら守ってほしいのです」

という一条項があるように、約束が守られずに哀しんでいる顧客は沢山います。

そもそも、なぜ約束を守るのか?というと、

1)信用という目に見えない財産を築くため

2)人様に迷惑をかけないため

3)人は約束を破る(利他よりも、我利のために生きる)生き物だから

です(出典はありません。筆者なりの定義です)

1-解説)商売は信用第一ですから、小さな約束を一つ一つ守ることで、信用が積み重なり、取引が発生し、売上に繋がります。

2-解説)お客さんも仕入先も他人ですから、他人に迷惑をかけないように、約束を守ります。

3-解説)人は、自分に最も興味がありますから、自分に都合が良いと判断した時、約束を破ります。

もしも、約束が守られて当り前ならば、約束手形が、不渡りになるはずありませんから、企業が倒産するなんて、あり得ませんね?

ところが、現実には、毎年一万社もの企業が倒産しています。

このように、人間の集合体である企業そのものが、約束を守れない生き物です。

「約束は、守って当然。約束を破るのは、社会人として失格」なんて法律はありません。法を犯さなければ、何をしてもいいと心得違いしている不届き者はいます。

それを改めるには、お客さんとは(他人とは)何か?考えてみることです。

お客さん(他人)とは、約束を破っていい存在か?

について、試しに一週間だけ「顧客とは何か?」考えて来るように指示してみて下さい。

そして一週間後、顧客とは何か?の定義を持ち寄って話し合ってみるといいでしょう。

意外と、40代や50代の管理職であっても、顧客とは何か?じっくりと考えた経験が少ないようですから、部課長クラスにとっても、有意義なハズです。

そして、会議の締め括りに、貴社における「顧客の定義」を教えてあげて下さい。(ご商売なさってきたのでしたら、顧客とは何ぞや?の定義が、ありますね?)

約束を守る基礎練習としては、毎日のように、今日は誰へ、何を約束し、いつまでに履行するか、確認することです。その積み重ねが、約束を守るトレーニングになります。