昨秋ベスト8の都立足立西、7回コールド発進!

 7月7日、朝から雨が降ったりやんだりの不安定な空模様ではあったが、明治神宮野球場で東東京大会が行われた。球児の思いに応えるようになんとか天候も持ち、予定通り3試合を実施した。

 第3試合は、昨秋、強豪・修徳を下しベスト8に進出した都立足立西が登場。筑波大附と対戦した。平日で、しかも天気が心配される中にも関わらず、両校のスタンドには応援に駆け付けた父兄やOB、生徒たちの姿があった。

 初回、都立足立西は先頭の関根 成がエラーで出塁。2番・金沢 渉世はバントを三塁線ギリギリへ転がす。これを筑波大附サード・和気 正純が処理。踏ん張って一塁に送球するも、金沢の快足が勝り内野安打になり無死一、二塁。いきなり絶好のチャンスを迎える。しかしここは筑波大附先発・永島 史晟が踏ん張る。続く3番・佐藤 廉をサードフライに打ち取ると、エースで4番・小畑 秀平はショートゴロに。5番・北村 直之はピッチャーゴロと、クリーンナップを仕留めて得点を許さない。

 その裏、筑波大附1番・西村 剛毅の打球はライト戦を切り裂く2塁打。目の覚めるような当たりにスタンドも盛り上がる。だがこちらも後続が打ち取られ、先制のチャンスをモノにすることはできない。

 3回表の攻撃に入る際、どこか浮足立ったような都立足立西ナインの様子に対し、山崎 大輔監督の檄が飛ぶ。これに奮起したか、都立足立西の目の色が変わる。一死一塁から2番・金沢 渉世がまたもバントを足で内野安打に変え、3番・佐藤 廉がしぶとく四球を選び続き、一死満塁。ここで打席には4番・小畑 秀平。前の打席でチャンスを活かせなかった小畑の放った当たりはレフトフェンス直撃の2点タイムリーツーベース。都立足立西が4番のバットで2点を先制する。さらに5番・北村 直之もセンターへの2点タイムリーで続き、この回4点目を挙げる。

 5回にも1点を追加した都立足立西であったが、筑波大附の粘り強い守備の前に、リードはしているもののイマイチ波に乗り切れていない様子。チャンスは作り出すものの、会心の攻撃を見せるまでには至らない。

 そうこうしているうちに雨が強く降り出した6回、筑波大附がチャンスを迎える。四球や2番・豊田 翔太のヒット等で二死一、二塁とする。ここで打席に立つは、捕手としてチームを支える5番・澁谷 恒平。澁谷は三遊間を綺麗に抜けていくヒットを放ち、二死満塁とさらにチャンスを広げることに成功する。続く9番・永島 史晟の当たりはショートの深いところへ。これを都立足立西ショート・手塚 佑也がしっかり正面へと回り込み、落ち着いて一塁へ送球。惜しくも追い上げの得点をあげることはできなかった。

 雨も小降りになってきた7回表、ピンチを脱した都立足立西はチャンスを迎える。7番・飯塚 亮、8番・佐藤 諄が連打で出塁。9番・手塚 佑也のバントに対し、筑波大附ファースト・影山 悠が素晴らしいダッシュを見せ三塁で刺そうとするもあと一歩及ばず。フィルダースチョイスとなり無死満塁。7回、コールドへ向け得点のチャンスを迎える。だが、「点を獲ってこい」と送り出された後続が、センターへのライナー、ファーストへのファウルフライに打ち取られ、あっという間に二死満塁。都立足立西に嫌なムードが流れ始める。

 これを一掃したのが、3番・佐藤 廉。火の出るような当たりはライト線を切り裂きフェンスへ。走者一掃のタイムリースリーベースで3点を追加し8対0。試合を大きく決定づける一打を放った。8点の援護を受けた都立足立西の先発・小畑 秀平はその裏、筑波大附打線を三者三振に仕留め、7回コールドでゲームセット。序盤は苦しみながらも最後は地力をみせた都立足立西が2回戦へと駒を進めた。

(文=青木 有実子)

【野球部訪問:第117回 都立足立西高等学校(東京)】