中村由美さん

写真拡大

一つの道を極めた専門家が愛用する道具は一味違う。厳選されたアイテムを一挙に公開する。

■ボスの考えに合わせて最適なものを選ぶ

日本秘書協会のベストセクレタリー賞に選ばれた「日本一」の秘書、中村由美さん。中村さんはカレーチェーン「壱番屋」で、創業者から3代にわたって社長秘書を務めてきた――。

秘書の仕事は、ボスのスケジュール管理のほかに事務作業、お礼状作成、冠婚葬祭のセッティングなど。ボスの仕事が円滑に進むようサポートするのが秘書の務めであり、自分が前に出るというよりは、「ボスの考えに合わせて使う道具を選ぶ」という、ほかの職種にはない特徴がある。

「たとえば私が使っているスケジュール表は、創業者・宗次徳二の嗜好が強く反映されていて、曜日は日曜始まりです。相手によって、そして状況によって道具を選んでいく」

中村さんは、自分に与えられた仕事スペースによっても道具を変える。

「大きなスペースを与えられたときに最適だと考えていた仕事道具も、オフィスが変わればさらにそこから厳選しなくてはいけません」

絶対に必要なもの、要らないものの選別は簡単だが、「今後ひょっとしたら必要かもしれないもの」を捨てる判断が難しいという。

「100円ショップにも売っているような、機能がシンプルな道具が、結局最後には残っていますね」

■中村由美さんの必勝アイテム

●紛失を防止するための色違いクリアファイル

書類を紙だけで渡すと、紛失されることもしばしば。クリアファイルに入れて渡すひと手間で紛失予防になる。重要書類は黒などの濃い色がついたファイルで目隠し。

●迷ったときの味方冠婚葬祭マニュアル

慶弔手配も秘書の大切な仕事のひとつ。『冠婚葬祭の表書き』(関岡猪蔵著)など、冠婚葬祭のマナーがわかる本を1冊持っておくと、迷ったときすぐに調べられて便利だ。

●インクの色にこだわるお礼状、一筆箋

PILOTの万年筆と、万年筆インキ「稲穂」。「このインキ独特の茶の色合いは、生成りの紙によく映える」という。メール全盛時代だからこそ、あえて一筆箋をつけるのが目を引く。

●マグネット付きクリアケース

東急ハンズで見つけたという、マグネット付きでホワイトボード等に貼り付けられる書類ケース。緊急性の高いものや、忘れずに持って出てほしい資料などを入れる。

●ライフの予定表と手帳をセットで愛用

長年愛用する「ライフ」の予定表と手帳。多忙な経営者にとってスペースが小さく見えるが、「この枠に収まらないほど予定を入れてもこなせないことが多い」という。

----------

中村由美 
愛知県生まれ。1989年、壱番屋入社。秘書として創業者の宗次徳二氏、妻の直美前会長、浜島俊哉社長の3代につく。96年、日本秘書協会のベストセクレタリー受賞。

----------

(大高志帆=文 岡本 凛=撮影)