100円ショップだと300g位から簡単に重曹は手に入る。料理にも使うときは料理用重曹を購入しよう。少し高くなるが料理用でも掃除に使える。

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6月に入り、日本全国いきなり連日の30度超え! 梅雨の足音も聞こえはじめ、台所に出しっぱなしだった料理が気がついたら腐ってた……なんて経験をした人も多いはず。台所の三角コーナーや水切りのヌメリも気になる季節の到来です。

夜に帰宅したときにも、日中暖められた部屋の空気がムンと鼻につき、「あれ? 私の部屋クサい……?」と慌てるコトに。湿気で靴の匂いがこもるとなかなかとれてくれません。

でも、ゴシゴシとシンクや鍋をこすりまわったり、掃除する場所ごとに違う洗剤を揃えるのは大変だし、準備するだけで一人暮らしの男である自分には一仕事。ついつい見ないことにしてコバエが発生し、毎年果てない後悔に襲われるという負のスパイラルに突入してしまう……。

そんなときは、先人の偉大な知恵、ぶっちゃけると主婦の皆さんや実家の母ちゃん御用達の重曹(炭酸水素ナトリウム)の出番。会社帰りで駅前のドラッグストアや100均一ショップでも手軽に買えて超リーズナブルなうえ、使用方法は無限大! 細かく洗剤を揃えなくても台所から玄関、風呂、はては料理にまで使えるスグレモノなのだ。

夏本番を控え、気温と湿度が気になる今こそ100円玉1個で重曹をゲット! まずは、これから紹介する5つの方法で重曹のパワーを確認し家中スッキリさせてみよう。

その1 お湯に溶かした重曹でキッチンシンクもピカピカ

まずは、重曹大さじ1杯を鍋に入れて、500MLくらい(コップ3杯ちょっと)の水とともに沸かします。沸騰したら少しおいて、シンクにそのままざっと流し30分以上放置。その後スポンジなどでこすると面白いほど曇りやヌメリが取れます。ちょっと直視したくないほど排水のアミが汚れているときなどは、キッチンペーパーなどをおいて重曹湯を染み込ませて放置するか、重曹湯にそのまま沈めてしまうのもアリ。放置しておくほどに勝手に汚れと反応してスルスル落ちるようになりますよ。キッチンペーパー戦法はまな板の黄ばみ取りにも効果を発揮します。この重曹水の使い道はひろく、スプレー容器に詰めて使えば家庭用洗剤代わりにだってなりますよ。

その2 カレーを焦がしても大丈夫! 重曹ペーストで鍋もスッキリ

鍋の底にこびりついた焦げだって、重曹でOK。タワシで傷をつけることに怯えながらこすらなくてもいいんです。焦げなどの頑固な汚れには、「重曹ペースト」がオススメ。
まず重曹を大さじ2杯ほどお椀にとり、水をほんの少しずつ入れて混ぜてペースト状にします。ペーストになったら、鍋の底全面にできた「重曹ペースト」を敷き詰め、乾燥しないようにラップで覆っておきましょう。数時間そのままでおいておけば、タワシなんか使わなくても普段のスポンジだけで新品のようにピカピカになります。何年も使い込んだホーローの鍋なども購入時の輝きを取り戻します。

その3 下駄箱の湿気取りも重曹にお任せ!

湿気がたまりがちの下駄箱からの匂いが気になる場合、使い古した靴下などに、重曹をゴルフボール大くらいワシワシと詰めて、下駄箱の隅においておけば、かなりな吸湿効果があります。運動後や、筆者のような満員電車に揺られて疲れ果てたおっさんの靴などは、脱いだあとに重曹入り靴下をそのまま詰め込むと次の日には匂いがさっぱりと消えて快適に履くことだってできます。

その4 家を綺麗にしたら、次は自分! 重曹湯で角質もさっぱりポカポカ

重曹は弱アルカリで人の肌にやさしく、入浴剤やバスボムの原料にもなります。もちろんそのまま風呂に重曹を入れるだけで、湯冷めしにくく肌の汚れも落ちやすくなって温泉気分。分量はお風呂一回(200Lくらい)に対して、100g〜200g。香料などが入っていないので、入浴剤のきつい香りが苦手な人でもバッチリ。また、100均一でも最近取り扱うようになった柑橘系のエッセンシャルオイルなども垂らすと、好きな香りでお風呂を楽しむことができます。部屋の掃除で流した汗を、自分ごと綺麗にしてしまいましょう。ただし、風呂の掃除をしながら重曹湯に入ると、自分をつけ置き洗いしているような、豚肉などを柔らかくする料理の下ごしらえみたい……とつぶやかないこと。ちょっと悲しくなるから。

その5 綺麗になった台所で、パスタが中華麺に変身!? 買い置きパスタでいつでも冷やし中華!

最後は、ちょっとした裏技。パスタを茹でるお湯に大さじ1杯の重曹を加えると中華麺に早変わり! 中華麺に添加されているかん水(アルカリ塩水溶液)の代わりに重曹のアルカリが作用して、パスタが黄色く、中華麺独特のコシと香りがするようになります。ストレートなツルツルシコシコのパスタ中華麺は、ちょうど乾麺の中華麺を茹でたような仕上がり。液体ラーメンスープの素や、冷やし中華のタレを自作(自分の場合は米酢100mL、しょうゆ70mL、砂糖大さじ1.5杯、ごま油すこし)すれば、わざわざ麺を買いに行かなくてもいつでもラーメンや冷やし中華が楽しめてしまいます。

本格的な梅雨、そして夏に備えて100円程度で重曹を使い、放ったらかしてスポンジで撫でるだけでピカピカ掃除を実践して部屋を綺麗にしたら、重曹を溶かしたお風呂で自分もツヤツヤに。風呂あがりにはパスタを重曹で茹でた冷やし中華で涼やかにシメる。先人の知恵のカタマリ「重曹」で、オトクに楽して快適な夏生活を過ごしてみてほしい。

(久保内信行)