By Fedor Stroganov

2013年に「パンドラウイルス」と呼ばれる最大サイズのウイルスが発見されていますが、エクス=マルセイユ大学Jean-Michel Claverie氏とChantal Abergel氏の研究チームが、シベリアの永久凍土の中から3万年前のDNAウイルスを発見。パンドラウイルスを超える過去最大サイズとなり、ウイルスの復活にも成功しています。

Thirty-thousand-year-old distant relative of giant icosahedral DNA viruses with a pandoravirus morphology
http://www.pnas.org/content/early/2014/02/26/1320670111


Ancient "Giant Virus" Revived From Siberian Permafrost
http://news.nationalgeographic.com/news/2014/03/140303-giant-virus-permafrost-siberia-pithovirus-pandoravirus-science/

フランス国立科学研究センター(CNRS)が発表した論文によると、発見された世界最大のウイルスは「Pithovirus」と名付けられています。以下は電子顕微鏡で撮影したPithovirusの写真。


長さは約1.5ミクロン、直径0.5ミクロンと、パンドラウイルスより50%大きいため、光学顕微鏡でも目視が可能であるとのこと。ウイルスを復活させたのちにアカントアメーバにのみ感染することがわかっており、人間には感染しないことが確認されています。


通常ウイルスの遺伝子数が10未満なのに対し、パンドラウイルスは250〜2500ほどの遺伝子数を持つ巨大ウイルスですが、Pithovirusの遺伝子数は約500とサイズに比べると少量です。この遺伝子を解析した結果、3分の2が既知のいかなる遺伝子配列とも共通点がなく、3分の1はバクテリアと類似する遺伝子であるため、今までのウイルスとは全く違ったウイルスであることが判明しています。

ウイルスを発見した研究者たちは、「3万年前の生物が活動を再開したこの発見は、何万年もの間眠っていた有害な病原菌が現れる可能性を示唆しています。Pithovirusは人間に無害ですが、天然資源の発掘や温暖化の影響で北極などの永久凍土が溶けた時に、起きうる可能性を考慮するべきです」と危惧しています。

By Amanda Graham

研究チームでは周囲の環境を破壊しないように慎重に配慮しながら、永久凍土内にヒトに感染する病原体やウイルスが潜伏していないか、調査も行っているとのことです。