「ウイスキーライヴ! 」での日本製ウイスキーブースの様子

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国産ウイスキーフランスで人気だ。パリ市内にある有名蒸留酒専門店でも日本製ウイスキーはずらりと棚に並べられているし、9月28日から30日までパリ市内で開かれたイベント「ウイスキーライヴ! 」では、サントリーやニッカウヰスキーが、隣り合わせたスコットランドやアイスランドの各蒸留所に負けない集客力を見せていた。

フランスは世界でも主要な日本産ウイスキー輸入国であり認知度は高い。各日本メーカーも国産ウイスキーフランスでの売り上げは年々伸びていると声をそろえる。数ある国産ウイスキーの中でも、どのような味わいがフランスで好まれるのだろうか。

日本のウイスキーは外国産と比べて女性的で繊細な味と形容されるが、種類や蒸留所により香りや味は千差万別だ。フランスウイスキーは、スコットランドなどのものをイメージして飲まれるため、どちらかと言えばピートが利いたスモーキーなフレーバーが人気だという。ニッカで好まれるのは例えば「ピュアモルト ホワイト」などで、海藻やヨードに似た強いピート香を持つ余市蒸留所のヘビーピートタイプのモルトを主体としたウイスキーだ。

一方、サントリーでは「山崎12年」などが売れているそうだ。同商品はホワイトオーク樽熟成酒由来の甘いバニラ香と熟した果実香を持ち、2013年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞も受賞していている(同コンペティションは約90ヵ国からエントリーがあり毎年ロンドンで開催される)。

飲み方はカクテル以外ではストレートが主で、日本のようにハイボールは浸透していないが、日本メーカーの担当者によれば、若者の間ではライムソーダで割る場合もあるという。

日本産ウイスキーの人気は、小売店だけでなくパリのバーにも変化をもたらした。ウイスキーの種類を日本製だけに絞ったバーも現れたのだ。

ノートルダム大聖堂近くの路地に立つバー「キュリオ・パーラー」は、ウイスキーはニッカだけを集めたニッカ・バーだ。「余市」「宮城峡」「竹鶴」など様々な種類のニッカが並び、ウイスキーをベースにしたカクテルも提供する。今やジャパニーズ・ウイスキーは、選択肢の一つとして確実にフランス人に受け入れられている。
(加藤亨延)