東京はどうなる!? 五輪から1年経ったロンドンの今
英調査会社Ipsos MORIによれば、英国民の83％は五輪がより人々にスポーツを広める結果をもたらしたと答えている。84％は五輪開催が将来的にもスポーツの成功をもたらしていくだろうと感じている。一方で悲観的な回答は2％にととどまる。さらに84％が五輪は英国社会に「前向き」な雰囲気をもたらしたと考え、そのうち57％は「とても前向き」と回答している。否定的な雰囲気と答えた人はわずか3％だった。
ボリス・ジョンソン・ロンドン市長は、五輪は40億ポンド（約6000億円）の経済効果をロンドンにもたらしたと述べたが、多大な支出を伴ったことも事実だ。財政状況が厳しい中、五輪への投資は価値があったかどうか疑わしいとする専門家の指摘もある。しかし6割の国民は英国経済にとってプラスになったと感じており、ネガティブな効果と答えた人は13％にとどまった。今も続く市内の大規模再開発は、1年が経った現在もロンドン経済に活気をもたらしている。
五輪の各施設のその後はどうなったのか。ハンドボールなどが行われたカッパー・ボックスは、先月よりプロバスケットボールチーム「ロンドン・ライオンズ」のホームスタジアムになった。五輪スタジアムは最終的な改装が終わる2016年から、プロサッカーチーム「ウエストハム・ユナイテッド」のホームとして99年間リースされる。メディアセンターは先端企業のためのビジネススペースとなり、スポーツチャンネル「BT Sport」のメーンスタジオも入る。
選手村は一般住宅として整備され、一部はロンドン東部テムズ川に臨むニューアム地区に住む低所得者向けに週120ポンド（約1万8000円）で貸し出される。また2万ポンド（約300万円）から7万5000ポンド（約1100万円）の収入がある人には、市場価格の約7〜8割で提供される。最初に五輪パーク近くインターナショナル・クォーター南端の2区画が売り出される予定だ。2020年までにメーンスタジアムや選手村があったストラトフォード地区の人口は4万人に倍増すると見積もられている。
（加藤亨延）
