スマホアプリの動く試作品をつくりたい！―『解決編』
シンプルで直観的な操作性に感動
同ソフトの導入の決め手について、岡田氏は
「アプリ試作品を作成するための素材、ツールは実はたくさん存在しています。しかし、どれも一長一短でした」
が、Prototypingは
・シンプルに作られていること
・直観的に使えること
・必要なパーツが揃っていること
といった特徴があり、求めていたソフトに一番近かったのだという。ページ作成の直観的な操作性、そして面倒だったページの移動経路を示す遷移図自動で生成され、も簡単にかつ正確に作成できるのも作業時間の短縮に役立つ。
「コミュニケーションロスを減らすと、結果として修正回数が減り、作業が効率化につながります」
さらに、実機で試作品を動かせることで、フォントサイズや画像サイズがイメージと合っているかを具体的に把握できることこそが、アプリづくりの最大の貢献だと断じる。
「論より証拠です。やはり言葉と動かない紙だけで伝えるのは難しいですから」
ここまでいいことばかりだが、唯一ネックだったのは同ソフトがWidowsOSとAndroidOSのみの対応だったこと。エキサイトのアプリはAndroidOSだけでなくiOS向けも提供していたこと、また、制作スタッフのPC環境にMacが混在しているからだ。だが、幸いそれも先ごろクリアーされることになった。8月中にiOS、Mac対応版のリリースが決定したからだ。これによって言うまでもなく、同社にとってPrototypingはより使い勝手が良くなったわけだ。
時間短縮、そして社内横断的作業に
気になる作業時間の短縮。実際、どのくらい効果があるものなのか。
「企画者の画面設計の作成時間は30％くらいは節約できます」
で、これはあくまで従来の画面設計に手馴れた人がやった場合の効果。仮に、初めてそれにチャレンジするスタッフが使用した場合はどうか。
「おそらく作業時間は半分くらいで済むかも。Prototypingはプロはもちろん初心者にも最適のソフトです。操作が簡単で出来上がりが分かりやすいですから。OSの標準コンポーネントをうまく組み合せていくような素直なアプリ作成に向いています」とのこと。たとえば、ニュースリーダー、店舗一覧、レシピ表示などの情報ビュアーなどにはもってこいだ。
そして、さらなる作業効率を追求するために、次なるビジョンを考えているという。それは、
「イメージに近い試作品がつくりやすくなるだけでなく、将来は制作知識を持たない社内の営業スタッフなどにもアプリの試作に加わってもらえる可能性があります。そうなれば、作業は一気に効率化できると思います」
なるほど、同ソフトは「誰でも簡単」が特徴のひとつだから。
スマホ端末だけでなく、スマホアプリ開発もより身近になってきた。
（羽石竜示）
