サッカー女子代表のアルガルベカップが行われている。日本は2011年大会に初出場して3位、2012年大会では準優勝するなど、相性のいい大会であるが、今大会は苦戦しているようだね。

 澤穂希と宮間あやを選外とし、世代交代と戦力の底上げに着手しているなでしこジャパンは、初戦のノルウェー戦に0─2で完敗し、続くドイツ戦にも1─2で敗れて連敗となった。

 ノルウェー戦は試合そのものの質が低く、蹴り合いやぶつかり合いに終始し、なでしこジャパンの代名詞とも言えるパスサッカーは見る影もなかったね。2011年のW杯や2012年のロンドン五輪での大躍進を機に注目するようになった人たちからすれば、物足りない結果かもしれない。けれどこれもまた現実だよ。世代交代はそう簡単ではないし、代役がすぐに出てくるほど澤や宮間は容易い選手ではないよね。

 2011年のW杯で優勝した時のなでしこジャパンは、国民から大して注目されず、ある意味で「無視」されていたからこそ、チャレンジャー然として、リラックスして臨むことができた。それがあの望外の結果を生んだのだ。
 
 今は、人気がフィーバー状態となり、勝ち続けなければいけないという宿命、プレッシャーを背負っている。この中で戦うのは容易なことではない。今大会の成績はショッキングかもしれないけど、冷静に考えて、ちょっと過去を振り返れば、地上波で中継されるだけどもすごいことなんだよ。
 
 僕は、今大会のなでしこジャパンに結果を求めるつもりはない。プレッシャーを感じずに、時間をかけてチーム作りをすべきだ。今周囲がプレッシャーをかけてしまうと、監督も含めてチームが潰れてしまうよ。

 萎縮せずに、結果を気にせず思いきりプレーしてもらいたいね。悩んでプレーしている姿はなでしこらしくない。