台湾で犬の大量屠殺  睾丸など販売か

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(台北 17日 中央社)台湾中部の雲林県で15日、犬の大量屠殺が摘発され、殺されたばかりの犬の死骸12匹分や冷凍された犬肉170キロあまり、さらに乾燥させた犬の生殖器435本や無数の睾丸が見つかった。これまでに少なくとも1000匹を超す犬が殺され、肉や睾丸などが売りさばかれていたと見られ、警察は現場にいた59歳の男を取り調べている。

地方の小さな村で発覚した大量屠殺に、付近の住人たちは震え上がった。地元ではこの男が犬肉を販売しているとの噂はあったが、ある住人は「野良犬処分だと思っていた」と話している。

この衝撃の事件を検挙したのは、動物愛護団体の「台湾猫犬人協会」。市民からの通報により2年前から独自調査を開始、犬の連れ去りを確認するためボランティアが雲林および近隣の嘉義県、台南市などで張り込みを続け、2カ月ほど前に屠殺場を特定した。

男は、1斤(600グラム)67台湾元で犬の買い取りもしており、処分後の肉を233元/斤で販売していたといい、協会関係者は客を装い男と接触、「160元で10斤分」などの交渉を全て録音し、15日、警察と雲林県政府担当者とともに現場に踏み込んだ。今まさに殺されるところだった2匹がおびえきった眼で震えていたという。

犬の屠殺と豚の個人畜殺など動物保護法違反の前科があるこの男は、犬を殺し収入を得ていたことは認めているが、「全て友人かが棄てて行った犬だ」などと供述。また乾燥生殖器と睾丸については、「集めただけ」と話しているが、薬用酒に使われていた可能性が高いと見られている。

動物保護法では、犬や猫を不当に殺した場合は10−50万元、悪質と認められれば最高で100万元の罰金が科せられ、再犯者は1年以下の懲役に処される。(10元=30.7円)