【EVENT REPORT】美しき肉の饗宴 OZAKI BEEFを食す 〜niiik meating with DR. LESLIE TAY Vol.2

4月26日に表参道会員制ダイニング copon norpで開催された「niiik meating with DR. LESLIE TAY」。さまざまに調理されたオール尾崎牛づくしの美食の数々の他に用意された、もうひとつのメインディッシュ、スペシャルゲストのドクター レスリー・テイ氏による『お料理写真の美味しい黄金比』講座では、レスリー氏が長年の間に培った、料理を美味しく撮影するメソッドをゲストに伝授した。

写真上：尾崎牛カレー photo by Dr. Leslie Tay

レスリー氏の本業は医師。にもかかわらず、シンガポールで最も有名なフードブロガ―として知られるようになったのは、彼が医師として人々の身体とその健康に真摯に向き合ってきたことに由来する。人々の健康に食生活が大きく影響していることから、安全で安心な食、さらには美味しくて身体によい食について、医師としての目線から知識を深めていったレスリー氏。そのうち美味しい食に出合った際に、その感動を写真に収めるようになり、自身が撮影した数々の美食の画像がアップされている彼のブログはたちまちシンガポールで評判になったのだ。美味しいものを美味しく撮影すること。それは、その瞬間の味覚の感動をいつまでも記憶に留めておくことができる手段でもあり、食の楽しみの幅を広げてくれる。今回の会では、クイズ形式でゲストとのレクリエーションを兼ねて、あらゆる角度からのテクニックが紹介され、会場は賑やかな笑い声に包まれた。


レスリー氏の『お料理写真の美味しい黄金比』講座では、撮影対象となる料理の焦点の置き方や写真構成の黄金比、ライティングテクニックに至るまで、食材の美味しさを十二分に表現するための彼ならではのメソッドが披露された。
子供の頃から牛肉が好物だったというレスリー氏。神戸牛や松坂牛といった日本の牛肉のトップブランドはシンガポールでは憧れの高級食材ながらも何度か食す機会があったそうで、その度にその美味しさに魅了されてきたという。ところが今回の来日で尾崎牛に出合って、霜降りの日本の和牛のボリューミーな印象が一変したという。とりわけ、今回料理に出されたローストビーフは、「ローストビーフの概念を覆した」と後に彼のブログで語られるほどのインパクトを与えたようだ。彼はその美味しさを尾崎牛が食している特別な飼料のためだと言う。これこそまさに生産者である尾崎宗春氏のこだわりが消費者であるレスリー氏に伝わった瞬間といえるだろう。こうして食材への信頼とその美味しさが、作り手と消費者の懸け橋となっていくのだ。


レスリー氏を魅了したcopon norp片山シェフによるローストビーフ。 photo by Dr. Leslie Tay

またレスリー氏がブログの中でも語っているように、美味しいものはどこで食すかが最も重要なポイントとなる。シンガポールの読者への朗報として、この夏、copon norpがシンガポールへ新店舗を出店することが決まっていることも伝えている。世に美食家といわれる人は多い。しかし、これからはより作り手である生産者のこだわりや生産手法をより深く知ることで、食の味わい方にもさまざまな視点が取り入れられていくに違いない。肉を味わいつくすイベント「Traveling 尾崎牛」。深夜まで続いた美しきOZAKI BEEFの饗宴は、今後も展開される予定だ。そして、飽きることなく探求される美食の旅は、海を越えて新たなステージへと向かっていく。

【EVENT REPORT】美しき肉の饗宴　OZAKI BEEFを食す 〜niiik meating with DR. LESLIE TAY Vol.1