かつての後輩が上司になってしまったときあなたならどうする?

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しばらくぶりの友人とfacebookを通じて再会すると、なんと彼は起業して社長になっていた……近年よくある話である。お前偉くなったなぁ、今度飯でも奢れよ!と笑って済ませられる同級の出世話も、こと状況が同じ社内となれば訳が違ってくる。


特にシリアスなのが、可愛がってきた元後輩が自分の上司になってしまうという、いわゆる「追い抜かれちゃった」ケースだ。長期間ひとつの会社に勤めていると、30も半ばを過ぎたあたりからポツポツとこのようなケースに見舞われるようになる。

後輩であった彼がまだ若かりし頃にやらかした失敗談や女遊びの数々、実はお酒があまり強くないということ、昔をよく知るキミは上司となった彼にどう接すればいいのか戸惑うだろう。しかし、そう感じているのはキミだけではない。

かつて先輩であるキミに「うぃーっす」「あざーっす」を連呼してきた彼だって、キミにどう声をかければよいのか躊躇しているはずなのだ。

お互いがお互いに「どう呼べばいいんだろう?」「敬語か?タメ語か?」と会話の初手に二の足を踏むこのぎこちなさったら、まるで社内恋愛を始めたばかりのカップルのようではないか?

そう、社内カップルの距離感にこそ、今回のお題目のヒントが隠されている。

社内では業務と割り切って不自然さを感じさせないよそよそしさを保ち、ひとたびオフィスを飛び出し居酒屋に駆け込んだ後はこれまで通り「てめーこのやろう、一杯目からイチゴミルクなんか注文しやがって!(笑)」と突っ込みを入れる昔のノリでOKなのだ。隠れ社内恋愛メソッドの応用である。

間違っても「あいつの新入社員のころなんてさぁ……」なんていう昔話をランチタイムに流布させてはいけない。「あいつとホテルに行った時の話なんだけどさぁ……」という武勇伝のつもりが逆に周りに蔑まれ、ダメな彼氏の烙印を押される男と同じ結果になりかねないからだ。

いっそのこと、このツンデレの究極形であるハマちゃんスーさんの関係を目指すのも手かもしれない。そう、『釣りバカ日誌』で繰り広げられる、オフの釣りで、平社員ハマちゃんと社長スーさんの上下関係が逆転してしまうアレである。ひとたびこの『釣りバカ方程式』が成立してしまえば、キミはもう出世はおろか仕事のことすら考えなくてよいことになる。MicrosoftのインテリマウスをDAIWAのリールに持ち替え、「Subject:週末の釣行について」と一本メールを打てば晴れて業務完遂となる素晴らしきサラリーマンライフ。例は極端だが、優秀な後輩をレバレッジとして効かせるという考え方も悪くはないだろう。

キミ自身の出世はともかく、一年でも長くキミたちの良き関係が続くことを祈る。

<コーマントニオ・バンデラス>