中国のミクロネシア大使館の温振才参事官は5日、中国人の漁船乗組員1人がパラオ警察の違法操業取り締まりで銃撃されて死亡した件で、同大使館から現地にスタッフを派遣して真相を調査すると述べた。ただし、パラオは中華人民共和国と国交がないため、入国には一定の手続きが必要という。中国新聞社が報じた。

 パラオは「中華民国(台湾)」を国家として認め、外交関係を持つ世界23カ国のうちの1カ国であり、中華人民共和国は国家として認めていないため国交がない。

 温参事官は、「中国とパラオは目下のところ外交関係がないため、事件は駐ミクロネシアの中国大使館で処理する。中国の外交スタッフがまだ国交のない国に入国するためには、必要な手続きがある」と述べた。

 事件発生は3月30日早朝。温参事官によると、パラオから「海南省から来た複数の中国漁船が最近、パラオ近海で違法な操業を行い、パラオ側の取締官と衝突が発生した」との通報があった。

 パラオ側の説明によると、「公務執行のため漁船のエンジンに向けて銃撃したところ、中国人乗組員1人が負傷し、最終的に死亡した」という。パラオ当局は中国漁船の乗組員25人の身柄を拘束した。(編集担当:如月隼人)