待望のEOS 5D Mark III、動画の進化のポイントは?【ビデオSALON】
3月2日、キヤノンからEOS 5D Mark IIIが発表された。
発売は3月下旬、価格はオープンで推定36万円前後。
フルサイズ35?判のデジタル一眼レフカメラのベストセラー機、EOS 5D Mark IIの後継機ではあるが、実勢での価格差がかなりあるために、Mark IIと併売される。
EOS 5D Mark IIは、デジタル一眼ムービーが映像制作分野で使われるきっかけとなった革命的なモデルだが、3年後のMark IIIでは、どんな進化を見せているのだろうか?
動画に関連する部分をピックアップして整理してみたい。
○約22.3メガの35?フルサイズCMOSセンサーは8ch読み出し
まずCMOSセンサーは2110万画素の5D Mark IIから、若干画素数が増えて2230万画素に。
動画画質においては、高感度時での低ノイズ化をはかったという。
先月のEOS-1D Xのテストにおいては、従来の5D Mark IIに比べて、圧倒的に高感度、低ノイズ化がはかられていて、その結果に驚愕したが、おそらくそれほどまでではないものの、高感度、低ノイズ化は達成されていないだろうが、期待していいはず。
モアレも従来より低減されているという。
従来のセンサーは4ch読み出しだったが、8ch読み出しにスペックアップしている部分も
期待できる要素である。
動画にとっては、大幅な画素数アップが図られなかったことが朗報。
○新映像エンジンDIGIC 5+
高感度時のノイズ除去能力の飛躍的な向上。
これまでの動画においては、静止画でかけられているNR的な処理がそれほどなされていなかった印象だが、EOS-1D Xのテスト結果をみるかぎり、動画においてもきちんと処理がされるようになったと思われる。5D Mark IIIは現在テスト中だが、1D X同様の処理がされているか、確認したい。
動画撮影中にも電子水準器、録音レベル調整表示が可能
ちなみにREC中でも、動画サイレント設定機能により、サブ電子ダイヤルの内側に触れるだけで、操作音をさせずにレベル調整ができるようになった。
○タイムコード設定
これはEOS-1D Xから搭載された。RECラン/フリーラン、DF/NDF設定が可能。ただし外部からのTC入力端子はない。
○29分59秒の連続記録
これまでのEOS MOVIEは、12分、14分でRECがとまってしまったが、1D Xからは、4GB以上の動画でもファイル自動分割することで、連続記録が可能に。ただし、これはおそらくEUでの関税の問題からだろうが、連続最長29分 59秒まで。(30分以上連続で記録できるカメラはビデオカメラとみなされる)。
○ヘッドホン端子がついた
ついにEOSで初めてヘッドホン端子がついた。(1D Xはヘッドホン端子なし)
録音レベルが調整できても、ヘッドホン端子がなければまったく意味がない、といい続けてきた甲斐があり、ようやく本体で音が録れるカメラになった。
○約22.3メガの35?フルサイズCMOSセンサーは8ch読み出し○圧縮方式はMPEG 4 AVCで、ALL-I(Iフレームオンリー)とIPBの選択になった
従来はIPPという、やや効率の悪いGOP形式で、40Mbps超という、AVCHDに比較してかなり高いレートだったが、より効率の良いIPBにすることで、30Mbpsちょっとくらいに抑えられている。その一方で、さらに高画質を実現するALL-Iが選択可能になった。レートは50〜 90Mbps(ISO感度によって増減する)と、かなりアップしている。そのあたりの詳しいレポートは
一番下に記載したセミナーと、次号ビデオサロン誌にて。
○フレームレートは従来どおり
残念ながら1080での60p採用は見送られた。
○操作性は7Dに近い印象
5D Mark IIは、EOS MOVIEの初代機だったということもあり、SETボタンでRECスタートであり、専用のRECボタンがなかった。電源スイッチ、ライブビュースイッチの配置は7Dと同じ。グリップの深さも5D Mark IIよりも7Dに近い印象。つまり7Dと持ちかえるとほとんど違和感がない。RECボタンはライブビュースイッチのところにあるが、1D Xでは人差し指で可能な位置にあったが、5D Mark IIIはここも7Dを踏襲している。
拡大フォーカスボタンは左側に移動しているが、SETボタンに割り当てることができるので、手持ちでの右手操作も可能である。
○HDMI出力は7D相当
これまでの5D Mark IIでは、RECすると、HDMIの出力がSD解像度に落ちてしまっていたが、REC中でもHD解像度でのHDMI出力は可能になったという。ただし周囲に黒みがあり、フルスクリーンでの表示ではないのは7Dと同等のようだ。
ここはビデオカメラ同様、フル画面でのHDMI出力を実現してほしい、
と再度、強く要望したい部分。
○液晶パネルは3:2に変更、バッテリーは同じもの
液晶パネルは、3:2ワイドの3.2型、約104万ドットの高精細なもの。従来の7D、5D MarkIIは4:3だったので、動画映像の表示ではやや大きくなった。
液晶サイズが変更になったので、従来のライブビュー用ファインダーは使えなくなった。
一方で、バッテリーは変更なしなので、手持ちのものがそのまま使える。
EOS MOVIE 第2世代についてのテストレポートは、
3月9日(金)EOS 5D Mark IIIの特別体験会での
EOS MOVIEセミナー(時間は18:30〜19:15)で報告します。
テスターは斎賀和彦氏。
場所:東京品川キヤノンSタワー3F キヤノンホールS
詳細はこちら
また、
ビデオサロン4月号(3月19日発売)でもレポート予定。
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発売は3月下旬、価格はオープンで推定36万円前後。
フルサイズ35?判のデジタル一眼レフカメラのベストセラー機、EOS 5D Mark IIの後継機ではあるが、実勢での価格差がかなりあるために、Mark IIと併売される。
EOS 5D Mark IIは、デジタル一眼ムービーが映像制作分野で使われるきっかけとなった革命的なモデルだが、3年後のMark IIIでは、どんな進化を見せているのだろうか?
動画に関連する部分をピックアップして整理してみたい。
まずCMOSセンサーは2110万画素の5D Mark IIから、若干画素数が増えて2230万画素に。
動画画質においては、高感度時での低ノイズ化をはかったという。
先月のEOS-1D Xのテストにおいては、従来の5D Mark IIに比べて、圧倒的に高感度、低ノイズ化がはかられていて、その結果に驚愕したが、おそらくそれほどまでではないものの、高感度、低ノイズ化は達成されていないだろうが、期待していいはず。
モアレも従来より低減されているという。
従来のセンサーは4ch読み出しだったが、8ch読み出しにスペックアップしている部分も
期待できる要素である。
動画にとっては、大幅な画素数アップが図られなかったことが朗報。
○新映像エンジンDIGIC 5+
高感度時のノイズ除去能力の飛躍的な向上。
これまでの動画においては、静止画でかけられているNR的な処理がそれほどなされていなかった印象だが、EOS-1D Xのテスト結果をみるかぎり、動画においてもきちんと処理がされるようになったと思われる。5D Mark IIIは現在テスト中だが、1D X同様の処理がされているか、確認したい。
動画撮影中にも電子水準器、録音レベル調整表示が可能
ちなみにREC中でも、動画サイレント設定機能により、サブ電子ダイヤルの内側に触れるだけで、操作音をさせずにレベル調整ができるようになった。
○タイムコード設定
これはEOS-1D Xから搭載された。RECラン/フリーラン、DF/NDF設定が可能。ただし外部からのTC入力端子はない。
○29分59秒の連続記録
これまでのEOS MOVIEは、12分、14分でRECがとまってしまったが、1D Xからは、4GB以上の動画でもファイル自動分割することで、連続記録が可能に。ただし、これはおそらくEUでの関税の問題からだろうが、連続最長29分 59秒まで。(30分以上連続で記録できるカメラはビデオカメラとみなされる)。
○ヘッドホン端子がついた
ついにEOSで初めてヘッドホン端子がついた。(1D Xはヘッドホン端子なし)
録音レベルが調整できても、ヘッドホン端子がなければまったく意味がない、といい続けてきた甲斐があり、ようやく本体で音が録れるカメラになった。
○約22.3メガの35?フルサイズCMOSセンサーは8ch読み出し○圧縮方式はMPEG 4 AVCで、ALL-I(Iフレームオンリー)とIPBの選択になった
従来はIPPという、やや効率の悪いGOP形式で、40Mbps超という、AVCHDに比較してかなり高いレートだったが、より効率の良いIPBにすることで、30Mbpsちょっとくらいに抑えられている。その一方で、さらに高画質を実現するALL-Iが選択可能になった。レートは50〜 90Mbps(ISO感度によって増減する)と、かなりアップしている。そのあたりの詳しいレポートは
一番下に記載したセミナーと、次号ビデオサロン誌にて。
○フレームレートは従来どおり
残念ながら1080での60p採用は見送られた。
○操作性は7Dに近い印象
5D Mark IIは、EOS MOVIEの初代機だったということもあり、SETボタンでRECスタートであり、専用のRECボタンがなかった。電源スイッチ、ライブビュースイッチの配置は7Dと同じ。グリップの深さも5D Mark IIよりも7Dに近い印象。つまり7Dと持ちかえるとほとんど違和感がない。RECボタンはライブビュースイッチのところにあるが、1D Xでは人差し指で可能な位置にあったが、5D Mark IIIはここも7Dを踏襲している。
拡大フォーカスボタンは左側に移動しているが、SETボタンに割り当てることができるので、手持ちでの右手操作も可能である。
○HDMI出力は7D相当
これまでの5D Mark IIでは、RECすると、HDMIの出力がSD解像度に落ちてしまっていたが、REC中でもHD解像度でのHDMI出力は可能になったという。ただし周囲に黒みがあり、フルスクリーンでの表示ではないのは7Dと同等のようだ。
ここはビデオカメラ同様、フル画面でのHDMI出力を実現してほしい、
と再度、強く要望したい部分。
○液晶パネルは3:2に変更、バッテリーは同じもの
液晶パネルは、3:2ワイドの3.2型、約104万ドットの高精細なもの。従来の7D、5D MarkIIは4:3だったので、動画映像の表示ではやや大きくなった。
液晶サイズが変更になったので、従来のライブビュー用ファインダーは使えなくなった。
一方で、バッテリーは変更なしなので、手持ちのものがそのまま使える。
EOS MOVIE 第2世代についてのテストレポートは、
3月9日(金)EOS 5D Mark IIIの特別体験会での
EOS MOVIEセミナー(時間は18:30〜19:15)で報告します。
テスターは斎賀和彦氏。
場所:東京品川キヤノンSタワー3F キヤノンホールS
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