12月3日(金・現地時間)、ラスベガスのパームス・カジノ・リゾート内ザ・パールで行われるThe Ultimate Fighter 14 Finale。2005年のシーズン1より、UFC人気を支えてきたリアリティTVショーも、Spikeでの中継+現行のフォーマットとしては、シーズン14が最後のシリーズとなった。

現在のUFC人気に火がついたのは、2005年のシーズン1の成功によるもの。TUFの成功がなければ、ズッファはUFCを売却していた可能性も高かったが、2012年からFOX系での中継となり、中身は大幅に変わるといわれている。

現行のTUFラストシーズンは、コーチ役にマイケル・ビスピンと、6年振りUFC復帰がTUF出演となったジェイソン・メイヘム・ミラーが使命され、フェザー級とバンタム級の2階級で争われてきた。

米国MMA記者から、過去最高のレベルと評されたホーム入りを賭けたイリミネーション・ファイトでスタートを切り、準決勝を終えた時点で、ダナ・ホワイトが「TUF史上、最高の才能を持った4人が決勝に残った」と絶賛したシーズン14。

生き残ったのはフェザー級がデニス・ベルムデスとディエゴ・ブランダォン、バンタム級がジョン・ドットソンとTJ・ディラショー。2階級ともチーム・ミラー×チーム・ビスピンの対戦となっている。

D-1オール・アメリカンレスラーのベルムデスは、東部の実力者ジミー・リベラをTKOで破り、ハウス入りを果たすと、準々決勝でもスティーブン・バスをTKOで下している。準決勝のアキラ・コラサーニ戦では、低いガードをつかれ左を効かされるシーンもあったが、シングルレッグから豪快なリフト&スラムを見せ、ギロチンで逆転一本勝ちを手にした。

一方、ブラジルのマナウス出身のブランダォンも、3試合連続の1RTKO勝ちでファイナル進出を果たす。現在はグレッグ・ジャクソンの下で学ぶブランダォンは、しなやかな筋肉から生まれる瞬発力、スピードを生かした天性のファイターぶりを発揮。

さながら運動神経の塊のような選手で、長いリーチを生かしたパンチ攻撃は、スタンドでも有効だが、足を払ってのパウンドも脅威。既にUFCレギュラーを勝ち取っているフェザー級ファイターを見比べても、何ら劣るところは見当たらない。

準決勝で勝利が決すると、一足先に決勝進出を決めていたベルムデスの姿を見つけ、挑発する姿も堂にいっている。父親を亡くし、ドラッグディーラーに身を落とすも、柔術+MMAに救われ、「母親、兄弟たちを米国に呼んで、豊かな生活をおくらせてやりたい」というTBSばりのエピソードも彼の魅力を際立たせている。

BFC世界ライト級を制したマイケル・チャンドラーを思わせるタフネス振りを発揮するベルムデスだが、スタンドでパンチを効かさると、その後、ブランダォンのポジショニング+パウンドを考えると、命取りになるだろう。
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