不要となったクレジットカードや学生証の顔写真を、ギターのピックにしてしまう。

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以前、本当にちょっとだけ、ギターに挑戦していたことがある。当時、ジミ・ヘンドリックスを愛聴していただけに、自分が鳴らす音には不満足だった。
「チキショウ、何であんな音が出るんだ!」

もう、我ながら赤面ものなのだが、当時はそれなりに試行錯誤も。その中の一つとして挙げられるのは、「ギターのピックを替えてみる」ということだろうか。実際、あの時は音が少し変わった気がする。当然、ジミヘンみたいな音じゃなかったけど。

そしてこのアイテムがあれば、たくさんのピックを試すことができるはずだ。「株式会社DMR」が発売している『ギターピックパンチ』は、カードなどのプラスチック板を穴開けパンチの要領でティアドロップ型にくり抜き、ピックを作ることができる機器。“カードをギターのピックにするパンチ”である。

実は、これはイギリスのメーカーによる製品で、向こうでは売り切れが続出していたそうだ。
そして我が国でも、その人気は猛威を振るっていた模様。
「そこまで売れるとは予想しておらず、販売時には20個しか用意していませんでした。しかしそれらはすぐに完売し、今までの2カ月で約1000個を売り上げています」(同社・担当者)
mixiやTwitterなどを通じ、ギタープレイヤーの中で口コミで広まって行った。

では、どんな物がギターのピックに変化するというのか?
「CDのように厚いと難しいですが、クレジットカードや柔らかめのポイントカードならパンチできます」(担当者)
他には、下敷きやバインダーもピックにできる。

そして、こんな使い方をする人も。
「自分でプラスチックに絵を描き、その部分をくり抜く人もいるようです。また、不要となった学生証の顔写真をパンチする方も多いです」(担当者)

ただ、これはピックである。肝心なのは、弾き心地なわけで……。
「『意外と弾きやすい』という声も届いております。固さや感触によって音が変わってくるので、色々なプラスチックをくり抜いて楽しんでいらっしゃるようです」(担当者)
自作のピックを作り出し「こっちの音の方が面白い!」と、市販のピックでは出せない音を求めるプレイヤーが続出しているようだ。

そんなこのパンチには、反響も続々と届いている。
「現在は、ベーシックなティアドロップ型のピックのみが作成できるのですが、『ベーシスト用のおにぎり型を作りたい』、『速弾き用の尖ったピックを作れるパンチが欲しい!』といったリクエストも届いております」(担当者)
あまりの声の多さに、同社はその要望をイギリスのメーカーに既に伝えたほど。

そんなこの『ギターピックパンチ』は、同社のオンラインショップで8月21日より発売中。価格は3,980円(税込み)だ。

「40〜50代の大人の方も、『子供の分も一緒に買いたい』と購入して行かれることがあります。幅広い年代で話題になっているようです」(担当者)
当時のロックが好きな、ギタープレイヤーなのだろう。微笑ましい話じゃないか。

「子供の頃、暖炉の木を使ってギターを自作した」というエピソードは、有名ギタリストの逸話として、ロック好きの中ではメジャーな話になっている。
ならば私は、クレジットカードを使ってギターのピックを自作したい。それが、このロックなパンチだと可能になるのだ。
(寺西ジャジューカ)