幅広い世代に向けて! 天声人語を書き写すためのノート
幼い頃、もしくは学生時代。ハッキリ言って、成人した今より日常的に新聞に目を通していたような気がする。まず、家(実家)が新聞を取っている。そして、新聞を読むと大人(両親、教師)に褒められる。
それに比べて、現在。勤務先が取っている新聞を何となく広げて読むか、仕事終わりに駅売りのスポーツ新聞を購入する程度になってしまった。我ながら、いつからこんな大人に……。
あともう一つ、若き日の自分が新聞を読んでいた理由がある。「天声人語は、受験に役立つ」と言われていたのだ。中学時代の夏休みは天声人語をノートに書き写していたし、大学受験を前に小論文対策として読んでいた時期もあった。
今思うと、どれだけ文章の意味を把握していたかわからない。が、あの時期があったからこそ、活字を敬遠しない自分になれたのかも知れない。
そんな私が、久方ぶりに新聞に真摯に向き合う気になりました。4月より朝日新聞社から発売されているノートが、面白いのだ。その名も、『天声人語 書き写しノート』。
このノートを開くと、現れるのは独特のレイアウト。ページ下段3分の2くらいのスペースには、マス目がビッシリ並んでいる。これは、天声人語と同じ字数・行数になっている原稿用紙。
そして残りの上段には、切り抜いた天声人語を貼りつけるための欄が設けられている。その横にはメモ欄があり、ここは自由に使っていい。新しく調べた言葉を書き出してもいいし、記事への感想を書いてみるのもいいだろう。
まさに、“天声人語を書き写すためのノート”なんです! でも、どうしてこのような新ノートが製作されたのか? その辺りを、同社の教育事業センター・森田さんに伺った。
「天声人語は、受験問題に使われたり教科書や授業で取り入れられたり、長く教育現場で活用されてきました。そして今回は、新聞が勉強に役立つことを実感してもらい、学習の継続をサポートするためのツールとして、このノートを開発いたしました」
なるほど。ということは、主に学生さんが活用しているノートなのだろうか?
「“脳トレ”目的の中高年の方や、小中学生とその親御さんによる家庭での利用が多いようです。また、100冊単位で購入する学校(小中高校、大学)や塾も増えています」(森田さん)
非常に幅広い年代にウケているわけだ。何しろ、同社には小学校3年生から90代のお年寄りまで、たくさんの感謝の声が寄せられているというのだから。
そんな、前評判を聞かされては……。というわけで、私もこのノートと朝日新聞を購入。机に向かって、粛々と「天声人語」の書き写しに励みました! そういえば、ペンを手にして長い文章を書くのは、かなり久々な気がするな。この感覚は数年ぶりで、新鮮。
そして早速、天声人語を書き写していくと、初っ端に出食わしたのが「放蕩」という文字。パソコンならあっという間なのに、自身で書く時の大変さと言ったら……。しつこいようだけど、この感覚は久々! 他にも「僥倖」、「他山の石」と、今までの人生で一度も使ったことのないボキャブラリーに遭遇したり、もう“学び”の連続。
また、内容に関しては言わずもがなの密度の濃さで。この日は、おとぎ話を引き合いに出しつつ、現在のギリシャの経済状況を論じる「天声人語」だったのだが、改めて読むと凄い。大人を唸らせ、子供は納得するであろう、深みのある文章になっていて。これこそ、現在の私が見習うべき文章。目から鱗が落ちまくりで、後で掃除が大変でした。
こんな風に、色々な“気付き”の機会を与えてくれた、このノート。今まで、同社にはどのような反響が寄せられていたのだろうか?
「“書き写すだけ”という手軽さがウケています。また毎日の習慣にする方も多く、『一日が充実した』、『写経のように心が落ち着く』という声も多いです」(森田さん)
そんな、『天声人語 書き写しノート』の価格は210円(税込み)。全国の朝日新聞販売所(ASA)を始め、東急ハンズ、伊東屋や丸善などの大手文具店、紀伊国屋書店や三省堂などの書店で販売されている。
このノートの人気ぶりは凄まじく、今までに47万冊を売り上げているそうだ(10月25日現在)。
私は実際に使ってみて、意義深さを痛感しました。特に「時事力」、「文章力」、「記憶力」、「集中力」が鍛えられる。
「デジタル化の反動で“手書き”の良さを再発見した方も多いです。特に20〜30代の方から『忘れていた漢字を思い出す』、『手書きをすると心が落ち着く』といった声を頂戴しました。手軽な自己啓発として習慣にされているようです」(森田さん)
ぶっちゃけ、完全に忘れていた“手書き”の気持ちよさ。そして、再確認してほしいのが「天声人語」の読み応えである。決して構える必要はない。単純に面白いから。
「何かを始めたい」と考えている方は、是非このノートを手にしていただきたいです。
(寺西ジャジューカ)
それに比べて、現在。勤務先が取っている新聞を何となく広げて読むか、仕事終わりに駅売りのスポーツ新聞を購入する程度になってしまった。我ながら、いつからこんな大人に……。
あともう一つ、若き日の自分が新聞を読んでいた理由がある。「天声人語は、受験に役立つ」と言われていたのだ。中学時代の夏休みは天声人語をノートに書き写していたし、大学受験を前に小論文対策として読んでいた時期もあった。
今思うと、どれだけ文章の意味を把握していたかわからない。が、あの時期があったからこそ、活字を敬遠しない自分になれたのかも知れない。
このノートを開くと、現れるのは独特のレイアウト。ページ下段3分の2くらいのスペースには、マス目がビッシリ並んでいる。これは、天声人語と同じ字数・行数になっている原稿用紙。
そして残りの上段には、切り抜いた天声人語を貼りつけるための欄が設けられている。その横にはメモ欄があり、ここは自由に使っていい。新しく調べた言葉を書き出してもいいし、記事への感想を書いてみるのもいいだろう。
まさに、“天声人語を書き写すためのノート”なんです! でも、どうしてこのような新ノートが製作されたのか? その辺りを、同社の教育事業センター・森田さんに伺った。
「天声人語は、受験問題に使われたり教科書や授業で取り入れられたり、長く教育現場で活用されてきました。そして今回は、新聞が勉強に役立つことを実感してもらい、学習の継続をサポートするためのツールとして、このノートを開発いたしました」
なるほど。ということは、主に学生さんが活用しているノートなのだろうか?
「“脳トレ”目的の中高年の方や、小中学生とその親御さんによる家庭での利用が多いようです。また、100冊単位で購入する学校(小中高校、大学)や塾も増えています」(森田さん)
非常に幅広い年代にウケているわけだ。何しろ、同社には小学校3年生から90代のお年寄りまで、たくさんの感謝の声が寄せられているというのだから。
そんな、前評判を聞かされては……。というわけで、私もこのノートと朝日新聞を購入。机に向かって、粛々と「天声人語」の書き写しに励みました! そういえば、ペンを手にして長い文章を書くのは、かなり久々な気がするな。この感覚は数年ぶりで、新鮮。
そして早速、天声人語を書き写していくと、初っ端に出食わしたのが「放蕩」という文字。パソコンならあっという間なのに、自身で書く時の大変さと言ったら……。しつこいようだけど、この感覚は久々! 他にも「僥倖」、「他山の石」と、今までの人生で一度も使ったことのないボキャブラリーに遭遇したり、もう“学び”の連続。
また、内容に関しては言わずもがなの密度の濃さで。この日は、おとぎ話を引き合いに出しつつ、現在のギリシャの経済状況を論じる「天声人語」だったのだが、改めて読むと凄い。大人を唸らせ、子供は納得するであろう、深みのある文章になっていて。これこそ、現在の私が見習うべき文章。目から鱗が落ちまくりで、後で掃除が大変でした。
こんな風に、色々な“気付き”の機会を与えてくれた、このノート。今まで、同社にはどのような反響が寄せられていたのだろうか?
「“書き写すだけ”という手軽さがウケています。また毎日の習慣にする方も多く、『一日が充実した』、『写経のように心が落ち着く』という声も多いです」(森田さん)
そんな、『天声人語 書き写しノート』の価格は210円(税込み)。全国の朝日新聞販売所(ASA)を始め、東急ハンズ、伊東屋や丸善などの大手文具店、紀伊国屋書店や三省堂などの書店で販売されている。
このノートの人気ぶりは凄まじく、今までに47万冊を売り上げているそうだ(10月25日現在)。
私は実際に使ってみて、意義深さを痛感しました。特に「時事力」、「文章力」、「記憶力」、「集中力」が鍛えられる。
「デジタル化の反動で“手書き”の良さを再発見した方も多いです。特に20〜30代の方から『忘れていた漢字を思い出す』、『手書きをすると心が落ち着く』といった声を頂戴しました。手軽な自己啓発として習慣にされているようです」(森田さん)
ぶっちゃけ、完全に忘れていた“手書き”の気持ちよさ。そして、再確認してほしいのが「天声人語」の読み応えである。決して構える必要はない。単純に面白いから。
「何かを始めたい」と考えている方は、是非このノートを手にしていただきたいです。
(寺西ジャジューカ)