排泄物の臭いが混ざると良い香りになる布
以前、コネタで「おならのにおいを消すパンツ」という商品を紹介したことがある。そのパンツを履いていれば、おならが出ても臭いを素早く消してくれる。そんな“お助けアイテム”であった。
そして、今回の商品。これが、あまりにも新しい。繊維メーカーの「シキボウ」と香料メーカーの「山本香料」が共同開発したのは、糞便臭の臭いを取り込んで“良い香り”に変えてくれるという新消臭加工繊維。その名も『デオマジック』である。
この新繊維を開発したきっかけが面白い。実は、関西の超人気番組『探偵ナイトスクープ』に、このような依頼が寄せられたという。
「糞便臭のする工具箱があるので、原因を追究して臭いを消してください」
そこでお呼びがかかったのが、山本香料の山本社長であった。
山本社長が、その依頼に対して用意した原理があまりにも斬新なのだ。通常の消臭剤は、悪臭を強い香りで覆うことによって臭いを抑えるもの。しかし同番組で採用されたやり方は、それとは違った。
高級な香水を完成させるには、実は様々な数種類の香料をブレンドしているという。そしてその中の一香料として、わざと糞便臭のようなクサイ臭いを混ぜているそうなのだ。そんな組み合わせをすることで、元からの良い香りがより引き立つ。
「例えて言うならば、甘いスイカに塩をかけるような役割です」(シキボウ・担当者)
この原理で、山本社長は消臭のための香水を調合した。それも、最後の決め手である“クサイ臭い”を加えない状態で。
ナイトスクープに登場した工具箱は、油などの色々な臭いが混ざり合って糞便臭が発生していたようだが、結果的にその悪臭は抑制されたようだ。番組用に製造された、完成一歩手前の香水によって……。
この模様をテレビで観ていた、シキボウの開発担当者が山本香料に即座にアプローチ。シキボウでは、以前より「大腸がん患者の糞便臭の悩みを解決できないか?」というテーマを抱えており、同番組の内容が見事に引っかかったのだ。
結果、“排泄物の臭いが混ざると良い香りになる布”の完成と相成った。
では糞便臭が加わったら、果たしてどんな香りになるのか?
「森林系のウッディな香りがします。『デオマジック』には40種の香料が混ざっているので、糞便臭が加わる前からいい香りはしています。しかし、そこに排泄物の臭いが加わると、香りに深みが増すんです」(シキボウ・担当者)
これは「そういえば、そうかな?」というレベルではないそうだ。明らかにビフォアアフターでの違いがあるとのことで、今までに数多くの人が納得したクオリティを誇っている。
ただ、一つだけ気になることも。これって、ずっと消臭効果は続くのか? いくらなんでも、半永久的なものではないだろうに……。
「耐久性としては、10回ほどの洗濯が限度となります。ですので、それ以降の使用のためのスプレーなどの販売も考えております」(シキボウ・担当者)
なるほど。では、他の質問も。この機能は今後どういった展開を見せていくのだろうか。例えば、繊維だけにアパレル関係が主になる? スプレーなど、他の様々な分野への進出も有り得るのか?
「介護関係やペット関係の企業からの問い合わせが来ております。また、製紙会社からは『オムツやトイレットパペーパー、ウェットティッシュなどに使ってみたい』という反響も寄せられました」(シキボウ・担当者)
他にも、住宅における空調や簡易トイレ、養豚場や牧場などでの活用も期待されているようだ。
また、今回の消臭の考え方は糞便臭以外にも対応できる。当然、アンモニア臭や加齢臭などでも「悪臭が加わることで、良い香りが引き立つ」というやり方は有効。
「ただ、糞便臭以外に関しては『悪臭を強い香りで覆う』という従来の考え方でも対応できていました。糞便臭に限って、従来の方法だと消臭できなかったのです」(シキボウ・担当者)
そんな『デオマジック』を使用した商品、順調に行けば来春には市場に回ることになるという。
「ただ、現在の『デオマジック』は完成形ではありません。糞便臭への対応に関しても、まだまだブラッシュアップしていきます」(シキボウ・担当者)
こういう消臭の考え方は、非常に新鮮だ。まさに新発想による、新消臭加工繊維の誕生である。
(寺西ジャジューカ)
そして、今回の商品。これが、あまりにも新しい。繊維メーカーの「シキボウ」と香料メーカーの「山本香料」が共同開発したのは、糞便臭の臭いを取り込んで“良い香り”に変えてくれるという新消臭加工繊維。その名も『デオマジック』である。
「糞便臭のする工具箱があるので、原因を追究して臭いを消してください」
そこでお呼びがかかったのが、山本香料の山本社長であった。
山本社長が、その依頼に対して用意した原理があまりにも斬新なのだ。通常の消臭剤は、悪臭を強い香りで覆うことによって臭いを抑えるもの。しかし同番組で採用されたやり方は、それとは違った。
高級な香水を完成させるには、実は様々な数種類の香料をブレンドしているという。そしてその中の一香料として、わざと糞便臭のようなクサイ臭いを混ぜているそうなのだ。そんな組み合わせをすることで、元からの良い香りがより引き立つ。
「例えて言うならば、甘いスイカに塩をかけるような役割です」(シキボウ・担当者)
この原理で、山本社長は消臭のための香水を調合した。それも、最後の決め手である“クサイ臭い”を加えない状態で。
ナイトスクープに登場した工具箱は、油などの色々な臭いが混ざり合って糞便臭が発生していたようだが、結果的にその悪臭は抑制されたようだ。番組用に製造された、完成一歩手前の香水によって……。
この模様をテレビで観ていた、シキボウの開発担当者が山本香料に即座にアプローチ。シキボウでは、以前より「大腸がん患者の糞便臭の悩みを解決できないか?」というテーマを抱えており、同番組の内容が見事に引っかかったのだ。
結果、“排泄物の臭いが混ざると良い香りになる布”の完成と相成った。
では糞便臭が加わったら、果たしてどんな香りになるのか?
「森林系のウッディな香りがします。『デオマジック』には40種の香料が混ざっているので、糞便臭が加わる前からいい香りはしています。しかし、そこに排泄物の臭いが加わると、香りに深みが増すんです」(シキボウ・担当者)
これは「そういえば、そうかな?」というレベルではないそうだ。明らかにビフォアアフターでの違いがあるとのことで、今までに数多くの人が納得したクオリティを誇っている。
ただ、一つだけ気になることも。これって、ずっと消臭効果は続くのか? いくらなんでも、半永久的なものではないだろうに……。
「耐久性としては、10回ほどの洗濯が限度となります。ですので、それ以降の使用のためのスプレーなどの販売も考えております」(シキボウ・担当者)
なるほど。では、他の質問も。この機能は今後どういった展開を見せていくのだろうか。例えば、繊維だけにアパレル関係が主になる? スプレーなど、他の様々な分野への進出も有り得るのか?
「介護関係やペット関係の企業からの問い合わせが来ております。また、製紙会社からは『オムツやトイレットパペーパー、ウェットティッシュなどに使ってみたい』という反響も寄せられました」(シキボウ・担当者)
他にも、住宅における空調や簡易トイレ、養豚場や牧場などでの活用も期待されているようだ。
また、今回の消臭の考え方は糞便臭以外にも対応できる。当然、アンモニア臭や加齢臭などでも「悪臭が加わることで、良い香りが引き立つ」というやり方は有効。
「ただ、糞便臭以外に関しては『悪臭を強い香りで覆う』という従来の考え方でも対応できていました。糞便臭に限って、従来の方法だと消臭できなかったのです」(シキボウ・担当者)
そんな『デオマジック』を使用した商品、順調に行けば来春には市場に回ることになるという。
「ただ、現在の『デオマジック』は完成形ではありません。糞便臭への対応に関しても、まだまだブラッシュアップしていきます」(シキボウ・担当者)
こういう消臭の考え方は、非常に新鮮だ。まさに新発想による、新消臭加工繊維の誕生である。
(寺西ジャジューカ)