3日のチャンピオンズリーグ(CL)グループF第4節で、マルセイユがジリナ(スロバキア)と対戦、敵地に乗り込んで7―0と圧勝した。7ゴールはマルセイユが欧州カップであげた得点で過去最多、CLの記録としても史上最多のアウェーゴールとなった。

 マルセイユにとっては、開幕から結果が出せずにいた新戦力のアンドレ=ピエール・ジニャックが3ゴールと爆発したのが大きい。これまで同じく新加入のロイック・レミ(この日も1ゴール)が順調にポイントをあげ、フランス代表でも確固たる地位を築きあげつつあっただけに、焦る気持ちがあったはずだ。これでデシャン監督が開幕前に夢見た“国産双発爆撃機”がようやく離陸したことになる。

 もうひとつ重要な意味をもつのは、中盤の要ブノワ・シェイルーが3アシストと強烈に復活をアピールしたこと。シェイルーは開幕前に移籍問題で揺れたためか、昨季までの安定したプレーに陰りが見え、20歳のガーナ代表、アンドレ・アイユーにすっかりお株を奪われた感があった。

 さらにおまけは、司令塔ルイス・ゴンサレスの2得点。日頃から「もっと高いものを期待している」と“ルチョ”にハッパをかけていたデシャン監督にとっては、まさに完璧な結果となった。首位攻防をかけた前節のレンヌ戦が大雨で延期になり、その予定メンバーをそっくり投じられたという幸運も働いた。

 これでマルセイユは勝ち点を6とし、スパルタク・モスクワと並んだ。モスクワに乗り込んでの次節(23日)は、グループリーグ突破をかけた決戦となる。