撮影:野原誠治
SM官能文学「花と蛇」。原作は昭和37年に団鬼六が青春期の性的妄想を綴り、当時大反響を巻き起こした官能小説の古典だ。劇場映画化は谷ナオミ主演「花と蛇」(1974年 配給:日活)に始まり今作で8作目。注目の静子婦人には今最も危険な香りを漂わす女、小向美奈子が選ばれた。緊縛という禁断の領域に踏み込んだその心境を独占インタビューで迫った。

――まず、「花と蛇」という官能作品の金字塔ともいえるこの作品のオファーを受けたとき率直な気持ちを伺いたいのですが?

小向美奈子(以下、小向):正直なところ、すごくうれしかったです。というのもシリーズ作品の1も2も見ていたので、こんな名作に自分が出演できるのかという喜びが大きかったです。

――出来上がった作品を見た感想はいかがでした? かなり激しいシーンもありましたが。

小向:すごいことしちゃったな(笑)って。自分が想像していたよりもハードに映っていることにびっくりしてしまって、すごいところに到達してしまったなと感じました。

――素人的な意見で恐縮なんですが、緊縛シーンがとても痛そうでしたけど…。

小向:撮影中は……やっぱり痛かったですね。でも先日行われた「緊縛ナイト(8月4日に開催)」で縛られたときは痛くなかったんですよ!

――お客さんに見られていてアドレナリンが出ていたとか?

小向:アドレナリンというよりも、多分ですけど緊縛師の有末さんと撮影を通していろいろとお話をして、お互いの勘所がわかってきたからかもしれません。緊縛はお互いの信頼がないとダメですからね。逆さまで吊るされて縛られている時なんて、命を預けているわけですから。

――信頼の上に成り立っているのが緊縛だと。

小向:そうですね。そういった意味でも、私は心を開いて信頼しているし、有末さんもプロですので縛り方だけでなくテンションのかけ方、重心の置き方、さらにはポージングまでも計算されていらっしゃるので。

――とはいえ、縄1本で吊るされているわけですよね?

小向:でも、実際は見た目ほどの痛みはないんですよ。縄全体で体を包み込んでいる状態なので、例えるならばハンモックみたいな感じですかね(笑) あれも重心の乗せどころを間違えると痛いときあるじゃないですか。ってわかってもらえますかね?

――シーンの中で一番辛かったシーン、または達成感を感じたシーンを教えていただければと思うのですが。

小向:肉体的に辛かったのは、怖いお兄さんたちに囲まれてバチンバチンとやられるシーンですね。丸1日かけてそのシーンを撮影したんですけど、腕を吊るされっぱなしだったので次の日は上がらないぐらいパンパンに張ってました。しかもそのお兄さんたちに水を掛けられるんですけど、間違ってレモン系の清涼飲料水をかけられて、それが目に入ってしまってカットがかかった瞬間に「ギャーって(笑)」暴れちゃいましたね。あれは痛かった。