W杯グループEで日本の初戦の相手となるカメルーンがオーストリアでの合宿をつづけている。1994年大会を経験するベテランのリゴベール・ソングを押しのけてセンターバックのレギュラーとなった20歳、ニコラ・ヌクル(モナコ)がレキップ紙のインタビューに答えた。

 初のW杯を前にしても「プレッシャーはそれほど感じない」というヌクル。「それよりは大舞台に立てる大きな幸せとやる気を感じている。チームの目標はただひとつ。カメルーンの国民に喜びを与えることだ」と語る。

 グループリーグ突破については、「十分可能だと思う。その条件はまず日本を倒すことにかかる。初戦に勝って自信をつけることがいちばんだ。その後は何でも起こりうる。アフリカ大陸初のW杯を自分たちが制するのが夢、こう考えたって悪くないだろう?」と語っており、日本戦の重要度を強く意識しているのがわかる。

 25日の強化試合は、グルジアとスコアレスドロー。欧州予選で1勝もあげられず(7敗3引き分け)グループ最下位だったグルジアを相手に、カメルーンはわずかなチャンスしかつくれなかった。攻撃の組み立てに不安を感じさせたが、エースのエトーが不在だったことは考慮に入れないといけない。

 しばしば“スロースタート”が指摘されるカメルーンだが、エトーが戻り、W杯出場国との対戦がつづくこれから3試合(29日スロバキア戦、6月1日ポルトガル戦、5日セルビア戦)を経て、日本戦(14日)までに“不屈のライオン”が目覚める時間は十分ある、と考えていい。