SIエージェンシー(東京都港区、木原真社長)は、スフィール(東京都中野区、尾藤克之社長)と協業し、エンジニアのパフォーマンス向上のための「IT企業向けEQ診断」をリリースした。

 業務アプリケーション開発やWEBサイト構築を事業とする同社は、IT企業との関係を培っていく中で、多くのエンジニアが仕事や職場に対する悩みや不安といった心の問題を抱えているという実態を受けて、「心の知能指数」「感情知能」と言われるEQ(Emotional Quotient)の診断システムを、IT企業向けに開発した。

 学術的で複雑な質問事項が多い一般的な商品に比べて、質問内容をシンプルにして受験者の負担軽減と受験時間の短縮を図った。また、エンジニア向けの質問を用いることによって、エンジニアの感情をコントロールする力、対人コミュニケーション力や状況判断能力などを、より精度の高い計測が可能になっている。

 さらに、分析結果から一人一人の状況を読み取るだけでなく、新卒採用から中途採用、人事・育成・プロジェクトの遂行といった組織力の強化を図る上でも幅広く活用できるように、個々のデータを統合して分析することができる。

 SIエージェンシーの木原社長は「エンジニアに高いモチベーションを保った状態で仕事に取り組んでもらうために、数値で示されたEQ診断の結果を、企業や現場の方針、仕事の進め方を策定する際にうまく落とし込んでいただきたい。また、精神的に不安定な社員を早期に発見するきっかけとしても活用できます」と話す。

 また、スフィールの尾藤社長は「EQ診断は社員の順位付けや評価測定に用いるものではなく、多くの企業に組織内の行動や雰囲気を変えるきっかけや気付きを与えるツールとして活用を考えてもらいたい」と強調した。

 両社は、初年度1000社への導入を目標としている。

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