熾烈な同期対決を制するのは・・・?!

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 大会二日目・雨音を背景に始まった、センターコート・第一試合は男子シングルス・宮尾祥慈VS宮崎靖雄の同期対決!!2人はジュニア時代から同期のライバルにして友人、99年の全日本ジュニアではこの2人で18歳以下ダブルスで優勝するなど共に歩み、共に成長してきた仲。そしてこの春、大学を卒業し揃ってプロへ転向。プロとして初めて出場する全日本で、幸か不幸か、1回戦で顔を合わせることになってしまった。

 お互い負けるわけにはいかない、負けたくはない...そうして始まった第一試合は、両者とも一歩も譲らない、大接戦となった。強烈なサーブを武器にネットを絡めた攻撃的なテニスを展開する宮尾に対し、宮崎も深くスピンの効いたストロークからのネットプレーで対抗、両者ともサービスゲームを絶対に落としてはいけない、そんな空気さえ流れていた。闘志をむき出しにし、声を張り上げ自分にカツを入れる宮尾に対し、宮崎は冷静そのもの。表情も変えずもくもくと戦い続けた。そんな緊迫した2時間55分の試合を制したのは冷静な宮崎靖雄だった。勝因は大幅にリードできた、第三セットにあるだろう。6−4と競りはしたものの宮尾よりも確実・正確なテニスで着実にゲームを進めていった。第三セットの最後の接戦は目が離せない素晴らしいものだった。コートを後にする両選手には観客席から、惜しみない拍手が注がれた。


宮崎靖雄(5−7、7−5、6−4)宮尾祥慈


試合後の記者会見では、今日の試合について「宮尾は自分とレベルも同じくらい、周りは同級生ということでよく比べたりするが自分としては気にしていなかった。この試合、そうゆう思い入れよりもプロ一年目としての気合が入っていた。宮尾はサーブがいいからリターンで圧されてしまう、セカンドサーブにチャンスがあると思っていた。」と述べた。

また今後のことを問われると「今年、大学を卒業し、プロはやはりテニスがぜんぜん違うと感じた。自分はプロ1年目の1からのスタート、今しっかり体をつくって、左利きを生かすテニスなど、攻撃の幅を広げて今後自分のスタイルを確立させたい。」と答えた。

落ち着いて、淡々と話をする宮崎の目は光り輝いていた。フリーで活躍していく宮崎は地元・熊本の後援会やスポンサーの協力で遠征試合などに出場、練習は主に母校である亜細亜大学のコートでするという。今後、彼の話す"自分のスタイル"がどう確立されていくのか、目が離せない存在になりそうだ。