すでに停滞から下降局面を迎えたとの説もある景気ですが、新卒大学生・大学院生の就職は相変わらず活況を呈しています。経団連の新卒採用における「倫理憲章」にも関わらず、実際には水面下での採用はぐんぐん早期化しています。
「空前の売り手市場」で学生たちは「バブル再び!」のようなウハウハなのでしょうか?
学生たちの、ナマの叫びと、それを迎えうつ企業のあり方を考えましょう。

好きな言葉ではありませんが「勝ち組・負け組」が新卒大学生・大学院生就職でも明確に出ています。国立大学のトップ校から中堅私立大まで、文系理系を超えて、こうした「就職二極化」がここ最近の就職戦線の特徴と言えるでしょう。

大学生、大学院生を対象とするキャリアカウンセリングを行っていますと、本格就活シーズンも終わる5月末から夏にかけての相談で最も多いのは「内定がまだ取れない」と言うものです。しかし昨年辺りから、これにほぼ匹敵する数に至りつつあるものが「内定は取ったものの、その内定先には行きたくない」という相談です。

景気の足踏みから下降が言われる中、新卒採用はまだ「空前の売り手市場」と言われています。それにも関わらず、産能大学の調査によれば「就活はたいへんだった」という感想を持つ学生は、バブル期の倍、就職氷河期に近いウェートになったといいます。バブル期の内定者囲い込みの豪遊接待や海外旅行までして内定確定させた伝説は、今回の売り手市場ではほとんど聞かれません。

学生たちが言う「たいへん」はこうした接待攻勢を受けられなかったからではないことは、言うまでも無いでしょう。
同じ大学であっても、一人で超一流・有名企業の内定を3つも4つも、バンバン取れる学生と、5月を終えても1社も内定を取れない学生の両極端が出現しているのです。「同じ大学」で起こっている以上、偏差値的差異や文・理の違いによるものではありません。


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