バルセロナがオリンピック・リヨンに所属するフランス代表FWカリム・ベンゼマ(20)獲得に向けて動き始めた、とカタルーニャの2大スポーツ紙“ムンド・デポルティーボ”、“スポルト”ともに16日付けの一面トップでこれを取り上げている。

 ヨーロッパフットボール界の新星として大注目を集めるベンゼマにはヨーロッパのビッグクラブが熱視線を送っており、バルサもそのうちの一つだと言われているが、そのバルサがベンゼマ獲得に向け第一歩を踏み出した。チキ・ベギリスタインSDは昨日(15日)、リヨン対メスのフランスカップ準々決勝が行われたジェルラン・スタジアムでリヨンのベルナール・ラコンベ氏と会談。ベンゼマ獲得の意向、そしてジャン・ミシェル・オーラス会長との交渉の席につきたい旨を伝えたという。

 今のところ、オーラス会長にはつい最近2013年まで契約を延長したばかりのベンゼマを手放すつもりはないようで、ベンゼマ自身にも今夏にリヨンを去るつもりはない。もう少しリヨンで経験を積んでからステップアップしたいと考えているためだ。

 だからといって、バルサにベンゼマ獲得を1年先延ばしにするつもりはない。1年後には彼の移籍金がバルサの手に負えない額となる可能性が非常に高いからだ。今夏に行われるユーロ2008、そして来シーズンでの活躍でベンゼマのマーケット価格はグンとはね上がることになるはず。そのため、バルサとしては今夏中になんとか獲得にこぎつけたいと考えているのだ。ちなみにバルサがベンゼマ獲得に用意しているのは3000万ユーロ(約48億円)と言われている。

 バルサでクラックへと進化を遂げたロナウジーニョがこの夏でクラブを退団するのはほぼ決定的。バルサは彼の代わりとなり得る将来有望なクラック候補の獲得を目指している。その筆頭候補であるベンゼマ獲得に向けて新たな幕が切って落とされた。道のりは長く険しいものになるだろうが…。

(スペイン通信)