アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が、マンチェスター・ユナイテッドを率いるアレックス・ファーガソン監督との関係についてコメント。これまで、敵将とピッチ内外で繰り広げてきた確執関係について、「エンターテインメントのひとつ」と語った。

 11年前にアーセナルの監督に就任して以来、ファーガソンとライバル関係を続けているベンゲル。そのライバル意識はかなり強く、両者の直接対決ともなるとメディアを通じての舌戦が繰り広げられるほどだ。チェルシーの台頭もあり、ここ数シーズンはそのライバル関係が注目を集める機会も少なくなっていたが、ともに好調な立ち上がりを見せている今シーズンは、両者がプレミアリーグのタイトルを争う展開に。そして先日、アーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアムで行なわれた直接対決は2-2のドローで終わったが、試合結果に不満のファーガソンは試合後、外国人選手を重宝するベンゲルの起用法を揶揄すると同時に、試合中にアーセナル・サポーターから侮辱的な野次を受けたとして、スタジアムの警備体制を批判したばかりだ。

 それでも英国サッカー誌『フォー・フォー・ツー』のインタビューに応じたベンゲルは、ファーガソンとの舌戦について、「これもゲームの一部」とコメント。その態度とは裏腹に、プレミア最年長監督が仕掛ける心理戦を楽しんでいるとも語っている。

「ファーガソンの言動が気に障ることはある。彼が私の言動に腹を立てているのと同じようにね。しかし、それも試合の一部だし、ある種のエンターテインメントとも言えるだろう。そもそも、このレベルで競い合っている監督同士が、友人関係になれるはずなどない。ただ、別に彼に対して悪い感情を持っているわけではないんだ。ファーガソンとの心理戦を楽しんでいるかって? もちろんだ。おかげで人生がより楽しくなるよ」

 ファーガソンとの関係について率直に語ったベンゲル。プレミア屈指の戦略家も、宿敵の挑発的な言動には感情を抑えることが出来ないようだ。今やプレミアリーグの名物ともなった両監督の舌戦は、今後もファンを楽しませるエンターテインメントでありつづけるだろう。