チームの統率や選手起用、そして戦術に定評があるフィオレンティーナの敏腕監督チェーザレ・プランデッリ(50)が、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙の独占インタビューに応じ、自身の“カルチョ観”を徹底的に語っている。(インタビュアーはルカ・カラマイ記者)

−プランデッリ監督の現在のカルチョに対する想いは?
「イタリア国内のカルチョに目を向けると、インテルがレベル的に別次元だろう。欧州チャンピオンズ・リーグではバルセロナ(スペイン)の攻撃陣には驚かされ、開いた口が塞がらなかったよ。ただマンチーニ(インテル監督)とライカールト(バルセロナ監督)にはぜひ試してもらいたい提案があるのだが…」

−その提案とは?
「ぜひとも『4トップ』構想を前向きに試してもらいたい。真のFWの選手4人で攻撃を構成することを言っているのだが。仮にライカールトがロナウジーニョ、メッシ、アンリ、エトーの4人を同時に起用し、またマンチーニがイブラヒモビッチ、クレスポ、スアゾ、アドリアーノの4人を同時に出場させたとしたら、カルチョ界にとってコペルニクス的な大発見となるだろう。他のクラブもこのスタイルを模倣し始めるだろうし、若い世代にも浸透する。そうなればよりスペクタクル溢れた世界になる」

−サッカー界における今夏のサプライズは?
「ACミランのような権威のある名門クラブが若いパト(元インテルナシオナルFW=17)に莫大な投資をしたことかな。拍手を送るべき補強だろう」

−その他には?
「他にはコリーナ(元セリエA審判)が現場に復帰し、(審判員割り振り等の)重責を担い、(八百長試合などが減り)より透明度が増すことに期待をしている。彼なら審判員割り振りの最高責任者として、コリーナ自身が良い模範となるだろうし、全てのカテゴリーに目を行き届かせることが出来るだろう。審判というものはリスペクトされるべき存在であり、勇気を持たなければならない。コリーナは権威がある選手だろうが関係なく笛を吹き、ゲームを裁いてきた人物だ」

−それでは逆に今夏の“キャンセル”すべき出来事は?
「ビアンキやペレ、それにロッシなどの若くて才能溢れる選手がセリエAから去ってしまったことかな。フオーリ・クラッセ(突出した才能、天才)の他国リーグ流出は、技術面というよりも経済面での問題とも言えるだろうが。スペインやイングランドのいくつかのクラブは財政的にもゆとりがあるし。仮に(財政レベルが)同じ条件ならば、ジュゼッペ・ロッシはビジャレアルではなくフィオレンティーナに来ていたはずだ」(後編へ続く)