脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「天才は積み重ね」と題した動画を公開。「天才は生まれつき」という世間のイメージは「完全に間違っている」と指摘し、脳科学の視点から天才の正体と、誰にでも天才になる可能性がある理由を論理的に語った。

動画の冒頭で茂木氏は、天才に対する「生まれつきですごく、努力しなくても何でもできてしまう」というイメージについて触れ、「完全に間違っている」と一蹴した。天才とは、日々の努力や様々な活動の積み重ねによってたどり着く境地であり、「大器晩成」であると定義。視聴者に向けても、「どんなに平凡であれ、人生の時間を積み重ねるうちにあなたも天才になる可能性がある」と呼びかけた。

その理由として、人間の脳における言語中枢の働きを解説。言葉は生まれつき話せるものではなく、読書や会話、思考を通じて言語的な情報処理が積み重なっていくものだと説明した。さらに、近年の大規模言語モデル(LLM)の研究における「スケール仮説」を引き合いに出し、情報処理や記憶の量が10倍、100倍と増えることで、高度な認知が積み上がっていくと指摘。たくさんの経験や記憶という「裾野」があって初めて、富士山のように高い概念の山が形成されると説得力をもって語った。

実例として、アインシュタインが15歳で光の速度について疑問を持ち、相対性理論の着想を得たことや、モーツァルトが若くして才能を開花させたことも、それぞれの言語体系や経験の積み重ねの先にある「ひらめき」だと解説。茂木氏自身も、ポンコツながらも、31歳で「クオリア」という大問題に気づいたのは、物理学や芸術など様々な経験の裾野があったからだと振り返った。

最後に茂木氏は、「天才とは言語的な積み重ねの上に成り立つもの」であると改めて強調。日々の人生における経験の積み重ねが大事だと述べ、「その先に新しい景色が見えるようなことがあるかもしれません。それを楽しみに生きていきましょう」と前向きなメッセージで動画を締めくくった。

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