【アジア大会】北口榛花は涙の銀「全然勝負にならなくて悔しい」 厳子怡が70M超のビッグスロー
◇愛知・名古屋アジア大会第9日 陸上(2026年9月27日 パロマ瑞穂スタジアム)
女子やり投げが行われ、パリ五輪金メダルの北口榛花(JAL)が登場した。北口は6投目に62メートル70を投げ、銀メダルを獲得した。武本紗栄は最終6投目で62メートル15を投げ3位に浮上し、銅メダルを獲得した。
世界歴代2位の71メートル74の記録を持つ中国の厳子怡(ゲン・シイ)が1投目で70メートル46のビッグスロー。追う形となった北口は2投目に57メートル16を投げたが、本来の調子とは程遠い投てきが続いた。
やりを変えて臨んだ4投目で61メートル89を投げ2位に浮上した北口は5投目で記録を伸ばせず、最終6投目に62メートル70と伸ばしたが、トップは遠かった。
試合後、北口は「1試合前(アルティメット選手権)に日本記録を更新した中で、自分の中でも期待感がありつつ、この試合に臨んだんですけど、中国の厳子怡選手はすごく強いと思っていましたし、その中でも勝負したいという気持ちは強かったので。今日、全然勝負にならなくてすごく悔しいですし。なかなかうまく投げられなくて、銀メダルを獲れたんですけど、悔しい気持ちの方が強い」と語った。
昨季は右肘痛に苦しみ、世界選手権東京大会で予選落ちした。今季から男子世界記録保持者のレジェンド、ヤン・ゼレズニー氏の指導を受ける。やりを目線の位置で持ち続ける投法を取り入れ、試行錯誤を重ねた。成果が表れたのはシーズン終盤。今月のアルティメット選手権で68メートル92の日本新記録で優勝。23年に出した自身の記録を1メートル54も更新した。「やっと胸を張って堂々と“帰ってきたよ”と言える結果を出せて良かった」と確かな手応えをつかんだ。
試合後、北口は日の丸を手にしながらも涙を流した。自国開催で迎えた今季最終戦。「東京世界陸上の時は自分のことで目いっぱいで、何もできなかったので。今回、日本人2人で銀メダル、銅メダルを獲れて、今日、(グラウンド)1周を歩かせてもらって、みなさんにお礼はできたんじゃないかと思っています」と感謝した。「自分も絶対に70メートルを投げられる力はあると思っているので、また来年、70メートルに向けて挑戦していきたいです」。名古屋の夜空に大きな放物線を描くことはできなかったが、北口は前を向いた。

