ジャングリア沖縄が大赤字、イマーシブ・フォート東京は閉業…森岡毅「刀」神話に異論噴出 なぜ“マーケティングの神様”は苦戦しているのか?
〈巨額赤字、ジャングリアで何が起きていたのか?《週刊文春・徹底レポート》〉から続く
沖縄県国頭郡今帰仁村と名護市にまたがる大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業してから1年が経過した。同施設の運営を主導するのは、「USJ再建の立役者」として知られる森岡毅CEO率いるマーケティング支援企業「刀」である。
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広大な敷地を使って集客を見込むが ©文藝春秋
しかし、そのカリスマ経営の裏で深刻な危機が次々と浮き彫りになっている。ジャングリア沖縄は苦境が伝えられ、1年間の想定来場者数150万人を大きく下回る客入りとなっている。
なぜ“マーケティングの神様”は苦戦を強いられているのか。「週刊文春」が取材を進めると、そのリアルな舞台裏が見えてきた。
「しょぼい」とちゃぶ台返し
森岡毅氏(53)は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のチーフ・マーケティング・オフィサーとして、在任5年間で年間来場者数を600万人増加させた実績を持つ。その成功体験をまとめた著作は軒並みベストセラーとなり、独自のマーケティング理論「森岡メソッド」を掲げて2017年に「刀」を設立した。
だが、刀が初めて企画から運営まで全てを手掛けた「イマーシブ・フォート東京(IFT)」は、累計62億円もの赤字を計上し、2026年2月末に閉業。総事業費700億円を投じた「ジャングリア沖縄」も、当初の来場者目標の半分程度にとどまっているという。
輝かしい成功神話にも、懐疑的な声が上がる。森岡氏がUSJ再建の柱として語る「三段ロケット構想」。USJ時代の同僚は「森岡さんの入社する2010年より前から、すでに取り組んでいた方針です」と証言する。450億円を投じた「ハリー・ポッター」エリアの誘致や、人気アトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」を後ろ向きに走らせるアイデアも、森岡氏がゼロから発案したかのような語り口には、元関係者から違和感が示されている。
USJでの成功を支えたのは、10年以上にわたって蓄積された来場者データだった。しかし、ゼロから立ち上げたIFTではその前提が崩れ、森岡氏のトップダウンが裏目に出る。現場にほとんど姿を見せず、イベント直前になって「しょぼい」とちゃぶ台返しをするなど頭ごなしに否定することも。結果、IFTの中心メンバーだった主力のマーケター7人のうち半数以上が会社を去った。
そして刀の内部崩壊は、さらに深刻な事態へと発展する。2026年3月末、創業メンバーで森岡氏の最側近が辞職したのだ。辞職の決定打は、ジャングリアへの追加融資をめぐる森岡氏の姿勢だった。
カリスマ経営の裏で何が起きていたのか。「週刊文春 電子版」では、社内メールや関係者の告発、担当記者による解説動画など「刀」のリアルな舞台裏を明かしたコンテンツをまとめてお届けしている。
〈ジャングリア沖縄の親会社が株主総会で発表、巨額赤字の背景は? 計画主導の森岡毅「刀」“失敗の前兆”〉へ続く
(「週刊文春」編集部/週刊文春)
