Firefoxに「ピクチャーインピクチャーで再生する動画の速度調整」や「新規タブにウェブサイトの未読通知をバッジで表示」などの新機能が追加予定

ウェブブラウザのFirefoxを開発するMozillaが2026年9月11日付の開発報告で、動画再生や新規タブの使い勝手を改良する取り組みを明らかにしました。すでに正式版のFirefoxで利用できる機能のほか、設定の変更が必要な試験機能や、開発版の「Firefox Nightly」で改良中の機能も含まれています。
The Need for Speed Controls - These Weeks in Firefox: Issue 208 - Firefox Nightly News
◆1:ピクチャーインピクチャーで再生する動画の速度を調整
「ピクチャーインピクチャー(PiP)」はウェブページ内の動画を小さなウィンドウに独立させてオーバーレイ表示できる機能です。このピクチャーインピクチャーに再生速度の調整機能が追加される予定です。正式版のFirefox 156にも試験機能として組み込まれており、「about:config」で「media.videocontrols.picture-in-picture.playback-speed.enabled」の値を「true」に切り替えると使えます。

設定を変更するとピクチャーインピクチャー内に再生速度調整ボタンが追加され、ボタンをクリックすると再生速度を「0.75倍」「1倍」「1.25倍」「1.5倍」「2倍」から選択できます。

◆2:新規タブのレイアウトを改良
新規タブでは、記事やウィジェットの配置を見直す作業が進んでいます。公開されたレイアウト例は、左側に時計やチェックリストなどのウィジェット、右側に記事の画像・見出し・配信元をまとめたカードを並べたもの。

大きなディスプレイでカードを5列に並べる仕組みは正式版のFirefox 156にも含まれていますが、5列で表示するには対応するレイアウトが適用されている必要があります。Mozillaは今後数カ月にわたって複数のレイアウトを実験する予定です。
◆3:新規タブでウェブサイトの通知を確認
新規タブにウェブサイトのショートカットを並べる「Top Sites」に未読の通知を示すバッジを表示する試験機能は、すでにFirefox Nightlyと正式版Firefox 156の両方に組み込まれていますが、標準では無効になっています。Mozillaによるとデスクトップ版とモバイル版が対象で、2026年中に実験を行う予定とのことです。
また、同じくFirefox Nightlyと正式版Firefox 156に組み込まれた試験機能である「ホバーカード」も、標準では無効です。通知をカード形式で表示するホバーカード機能を有効にすると、ショートカットにマウスカーソルを重ねるか長押しすると通知カードが表示され、各サイトを開かずに通知を読んだり消したりできるとのこと。
◆4:新規タブ内の検索バーを改良
新規タブの中央に表示される検索バーの改良も進んでいます。正式版Firefox 156の標準設定では、検索バーにテキストを入力すると「検索バーから画面上部のアドレスバーにフォーカスが移って入力内容がアドレスバーに反映される」という動作をしますが、Firefox Nightlyでは検索バー内で入力や検索候補の表示を行う新しい仕組みが有効になっています。以下はMozillaが公開した開発中のUIで、見た目はまだ調整中とのこと。

◆5:Linuxのシステムテーマと配色を統一
Firefox Nightlyで開発中の新デザイン「Project Nova」には、Firefoxの配色をLinuxのシステムテーマに合わせる設定が加わりました。「about:addons」のテーマ選択画面で「Use Linux system theme」にチェックを入れると有効になります。
◆6:開発者ツールでCSSの値やスタイルを確認しやすく
Firefox Nightlyおよび正式版Firefox 156のウェブ開発者向けツールにはCSSの値を説明する試験機能が組み込まれており、「var()」「attr()」「env()」に対応しています。変数などがどのような値に置き換わるかを確認することができ、公開例では変数を使った計算式が「98px」になるまでの過程が吹き出しに表示されています。

この説明機能は標準では無効で、「about:config」で「devtools.inspector.css-explainers」を「true」にすると利用可能です。
また、正式版のFirefox 155以降では、ページの構造やCSSを調べる「インスペクター」に、見た目をカスタマイズできる選択メニューのスタイルを表示する機能が加わりました。メニューに使う「::picker()」のスタイルが疑似要素欄に表示されます。

この選択メニュー自体は標準では無効の試験機能で、「about:config」で「dom.select.customizable_select.enabled」と「layout.css.appearance-base.enabled」を「true」にすると利用できます。
さらに、正式版のFirefox 155では、プログラムの動作を調べる「デバッガー」にすべてのブレークポイントの有効・無効を一括で切り替えるショートカットが加わりました。ブレークポイントはプログラムの実行を一時停止させる地点のこと。キーの組み合わせはWindowsでは「Ctrl+Alt+B」で、macOSでは「Command+Option+B」です。
なお、新規タブのレイアウトや通知機能の実験をNightlyと正式版のどちらで行うかは、開発報告には明記されていません。また、開発・試験中の機能が正式版のFirefoxで標準提供される具体的な時期も示されていません。
