「会議の雑談を嫌う人」ほど成果が出ない? 脳科学者が教える“勘の回路”を開くシンプルな習慣
「脳には、『情報を数値化し、比較検討して問題点を見つけ出す』回路と、『経験知から勘を働かせる』回路がある。しかも、この二つは同時には使えない」と語るのは、脳科学者であり、人工知能研究の第一人者でもある黒川伊保子氏。
本記事では、黒川氏が、AI時代にこそ人間に求められる「勘」の正体と、それを鍛える脳の使い方を、科学的知見から解説していく。
※本記事は、『AIのトリセツ』(黒川伊保子著、扶桑社刊)より一部抜粋・再構成してお届けします。
◆会議中、参加者の勘の回路を活性化させる「たわいもない話」
AI時代は、AIには判断できないプロの勘を手に入れることが、人生を手に入れることにつながる。だが、勘が大事な時代に、会議室では勘が働きにくいということも覚えておいたほうがいい。
なぜならば、提案された情報を目の前に並べて結果を出そうとするとき、ヒトは「情報を数値化して、比較検討をして、問題点を見つけ出す」脳神経回路を使いがちだからだ。
この回路を起動すると、勘の回路が使えない。なぜなら、問題を見つけ出す回路と勘の回路は、いずれか一方しか使えないトグルスイッチ(どちらかがONなら、どちらかはOFF)だからだ。
もちろん、勘が問題点を見つけ出すこともあるが、それは結果である。勘を使っているとき、脳は、問題点を探っているのではなく、経験知を探っている。経験知(体験に基づく記憶)が身体性を通して警告してくれた結果として、問題点に気づくのである。
提案やブレーンストーミングの会議では、会議の出席者全員に、勘の回路を発動させる必要がある。実は、会議の冒頭に、たわいもない話を交わすことがとても効果があるのである。
人間の仕事が身体性に集約していくこれからの時代、「休むこと」「遊ぶこと」が脳の性能を上げる要件になるとともに、ビジネス対話のツボも、思いもよらないところにある。
◆「たわいもない話」を創り出す、脳の4つの演算
