「この時ばかりはお腹いっぱい」シルバーウィークに“デカ盛り肉”が売れる…イオン担当者に聞いた今ドキの大型連休に売れる意外な人気商品

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「せっかくの休みだから少しいいものを食べたい。でも手間もお金もかけたくない」――。そんな消費心理がスーパーの売り場にも表れている。シルバーウィークに売れる焼肉、タコス、デカ盛り商品とは。イオンリテールの担当者に聞いた。

【画像】デカ盛り、いやドカ盛りの「ゴッツい肉」と大型連休のスーパーで売れる意外な商品

秋の大型連休ならではの売れ筋

シルバーウィークのような大型連休になると、スーパーの売り場にも普段の週末とは違った変化が表れる。

帰省や旅行に出かける人がいる一方、自宅で家族や友人と食卓を囲んだり、近場でレジャーを楽しんだりする人も少なくない。では、連休になると実際にどんな食品が売れるのだろうか。

イオンリテールの商品担当に聞くと、秋の大型連休ならではの“売れ筋”が見えてきた。なかでも存在感を増すのが、焼肉やバーベキューに関連する商品だという。

「バーベキュー(焼肉など)の指数が高まります。年間売上指数が10番以内に入る期間です。特に秋の連休時は、お盆に比べ気温が下がり過ごしやすくなるため、アウトドアのレジャーが増える傾向にあります」(イオンリテール商品担当者、以下同)

真夏のお盆とは違い、暑さが少し落ち着く秋の連休は、屋外で食事を楽しみやすい時期でもある。キャンプ場や河川敷、自宅の庭などでバーベキューを計画する家庭が増えれば、スーパーでは必然的に肉や関連食材への需要が高まる。

大型連休というと寿司や刺身、オードブルといった“ごちそう”を思い浮かべる人も多いが、現在の消費者心理には、単に豪華なものを買うだけではない特徴があるという。

「タイパとコスパを求めつつ、休みの時にはちょっといいものを食べたいとのメリハリ消費が同時に起こると思われます」

普段の食事では手軽さや価格を重視する。その一方、せっかくの休日なら少しだけ特別感も欲しい。そうした一見相反するニーズが同時に表れるのが大型連休の食卓というわけだ。

その傾向は、具体的な売れ筋商品にも表れている。

「お肉では、簡単に調理ができる『味付け焼肉』、いいお肉を食べたい『和牛の焼肉』。お魚では、子供が好きな『サーモン』を塊・刺身・鮨・サラダなどさまざまな形でそろえます」

“手間をかけたくない”という需要に応える味付け肉が売れる一方で、“休日だから少しいいものを”という需要から和牛も動く。

魚売り場では、子どもにも人気のあるサーモンを、刺身だけではなく、寿司やサラダなどさまざまな形で展開する。家族それぞれの好みに合わせながら、準備の手間も減らしたいという大型連休ならではの食卓が透けて見える。

連休に強い“タイパ&コスパ飯”

さらに、近年のトレンドを反映した意外な商品も伸びているという。それが「タコス」だ。

「今はやりの『タコス』はタイパとコスパの両方を満たしつつ、みんなでワイワイしながら作って食べられることから休日に伸びています。冷蔵庫の中にある材料の活用も兼ねられます」

タコスなら、肉や野菜、チーズなどを用意しておけば、それぞれが好きな具材を選んで自分で作ることができる。調理する側だけに負担が集中しにくく、大人数でも楽しめる。

さらに、冷蔵庫に残る野菜や肉などを具材として活用できるのも利点だ。豪華な外食ほどお金をかけず、それでいて普段の夕食とは少し違うイベント感を演出できる。まさに「タイパ」「コスパ」「特別感」の三つを同時に満たすメニューともいえそうだ。

そして連休中は、“量”を求める需要も強くなる。

「また、この時ばかりは『お腹いっぱい』食べようと大型パックの商品も売れます。から揚げ用の鶏肉など、『お肉のデカ盛り』を普段より多く品揃えします」

家族がそろう休日や、人が集まる食卓では、一度に必要となる食材の量も増える。普段なら少量パックを選ぶ家庭でも、焼肉やから揚げを大皿で用意するとなれば、大容量商品のほうが使いやすいしお得だ。

スーパー側も、そうした需要を見越して売り場の商品量を増やすという。

一方、今年のシルバーウィークについては、単純に過去の同時期と比較することが難しい事情もあるとイオンリテールの商品担当者はいう。

「5連休となるシルバーウィークは11年ぶりであり、前回との比較は難しいです」

そのうえで注目しているのが、「帰省需要」だ。

「お盆に台風接近でできなかった帰省を今回行う方が増えると想定、手土産となる菓子、お墓参りの花の売上が伸びると想定します」

お盆に予定していた帰省を見送った人が秋の連休に改めて実家へ向かえば、食品スーパーの売れ筋も変化する。実家や親戚を訪ねる際に持参する菓子類や、墓参りのための花などが動く可能性があるという。

ただし、連休だからといって、すべての人が遠出をするわけではない。

「その一方で、GWには『自宅でゆっくり過ごす』『外食』『ショッピング』など遠出しない方の割合も高く、普段と変わらない食事をされる方が多かったことから、日常使いの普段の食事メニュー材料も売り切れしないように十分な在庫を持ち対応しています」

大型連休の売り場から見える“今どきの休日”

旅行や帰省、バーベキューなど“大型連休らしい過ごし方”をする人がいる一方、自宅でのんびり過ごす家庭もいる。店側としては、ごちそう商品だけを増やせばいいわけではなく、野菜や肉、魚、日配品といった日常の食卓を支える商品も欠かせない。大型連休のスーパーには、その時々の暮らし方や消費者心理が色濃く表れる。

手軽に食べられる味付け焼肉と、少し奮発した和牛。大容量の鶏肉と、家族で作るタコス。帰省用の手土産や墓参りの花が売れる一方で、いつも通り自宅で食事をする人のための商品も必要になる。

「なるべく手間もお金もかけたくない。でも、せっかくの休みだから少しだけ特別にしたい」。

今年のシルバーウィークの売り場では、そんな“メリハリ消費”がいつも以上にはっきり表れるのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部